意匠設計事務所に就職するには?企業研究の仕方からアプローチの仕方まで解説

2024年9月30日 更新

建築業界には様々な職種がありますが、その中でも設計事務所は建物の設計を担っています。

建築土木学生の皆さんの中には、その設計事務所の中でも、特に「意匠設計事務所」に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。

建物の外観のデザインや間取り、インテリアなど内観のデザインを行う意匠設計事務所は、構造設計や設備設計といった他の設計の基盤となるため、やりがいが大きい仕事であると言えます。

では、そんな意匠設計事務所に就職するにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、どのように意匠設計事務所と接点を持ち、就職活動を行っていけばよいのかを具体的にご紹介していきます。

意匠設計事務所に興味を持っている方は是非参考にして、就活のスケジュールをたててみてくださいね。

そもそも意匠設計事務所の仕事内容とは?

意匠設計事務所は、先ほどもご紹介したように、建物の外観のデザインや間取り、インテリアなど内観のデザインを行う設計事務所です。

具体的には、クライアントにヒアリングを行い、その要望に沿って、コンセプト立案や建物の設計・デザインを行います。その際、クライアントの要望を設計に組み込めているかはもちろん、予算内に収めて設計しているか、建築基準法に適合しているかという点が重要となります。

さらに、顧客との意思疎通が重要になるため、スケッチやイメージパースや模型の作成などを行います。

また、構造設計や設備設計といった他の設計を取りまとめ、工事監理を行うこともあります。このように、意匠設計事務所の仕事内容は広く、やりがいも大きいと言えます。

意匠設計事務所の就活はどのように行う?

意匠設計事務所の採用時期は?

では、意匠設計事務所の就活はどのように行うのでしょうか。

最初に、意匠設計事務所の採用時期についてご紹介します。

意匠設計事務所は、一般的な企業とは異なり、毎年新卒採用を行っているわけではありません。事務所の仕事が忙しくなったり、人が足りなくなったタイミングで募集を行います。

その為、事務所によって採用時期は異なり、また採用を行っていない事務所もある可能性があります。また、一般敵な就職サイトに募集要項を掲載する意匠設計事務所は少ないため、気になる事務所がある場合はホームページで細かくチェックしておくと良いでしょう。

意匠設計事務所の応募の仕方

ホームページや転職サイトを見てみる

次に、意匠設計事務所への応募方法をご紹介します。

先ほどご紹介したように、意匠設計事務所は一般敵な就職サイトに募集要項を掲載することが少ないため、どのように応募をすれば良いか迷ってしまいますよね。

一般的には、その事務所のホームページで採用を行っているかを確認し、連絡を取る手段が良いでしょう。また、中には新卒向けの就職サイトではなく、中途向けの転職サイトに募集要項を掲載している事務所もあります。

転職サイトでの応募は、基本的にスキルや経験値を求められることが多いですが、逆に言えば学生時代に資格や技術面でのスキル、経験を培っている方は、応募することができる可能性があるかもしれません。

オープンデスクで接点を持つ

また、意匠設計事務所と接点を持つ方法として、オープンデスクという手段があります。

オープンデスクとは、一定の期間、インターン生として設計事務所で就業体験を行う制度のことです。

設計事務所の仕事を実際に体験できる点はもちろん、他のインターン生と交流することで情報交換ができたり、そのままその事務所の選考に進むことができる可能性があるという点も、オープンデスクに参加するメリットです。

また、他の意匠設計事務所の選考に進む際にも、スキルや経験のひとつとしてアピールすることができるため、おすすめの手段であると言えます。

オープンデスクに関する情報は、大学や教授経由で出回るケースが多いため、日頃から学内で共有される情報には目を光らせておきましょう。

選考で必要な「ポートフォリオ」を準備

次に、意匠設計事務所にエントリーしたあとの流れについてご紹介します。

基本的に、意匠設計事務所の選考で重要となるのは「ポートフォリオ」と呼ばれる作品集です。

専門的な知識やスキルが必要とされる意匠設計事務所では、書類選考や面接の時に自分が学生時代に培ってきたスキルや経験を、ポートフォリオのプレゼンを通じてアピールしなければなりません。

また、作品のクオリティはもちろん、作品の内容から、どのような人物なのかを見られる可能性もあるため、選考を受ける意匠摂家事務所に合わせてポートフォリオを作成するのもひとつの手です。

意匠設計事務所だけでなく、他の設計事務所や建築関係の企業の選考でもポートフォリオは必要になるため、選考を受ける前にポートフォリオを準備しておくと良いでしょう。
また、ポートフォリオは提出するだけでなく、面接時にプレゼンを行うことも求められることが多いため、その練習をしておくことも必要です。

ここまでは、意匠設計事務所への応募方法や選考を受ける際に必要なことをご紹介しました。
では、意匠設計事務所の実際の面接はどのようなものなのでしょうか。ここからは、意匠設計事務所の面接のポイントについてご紹介します。

意匠設計事務所の面接

求められる人物像

まず、意匠設計事務所で求められる人物像についてご紹介します。

設計事務所では、これまでご紹介したようなスキルや知識はもちろん、どのような人物であるかといったパーソナリティも見られます。

設計事務所と聞くと、机に向かってコツコツと設計を行うイメージが強いですが、実際はそういった仕事に加え、様々な人との話し合いやコミュニケーションが必要となります。

その為、設計のスキルに加えて、きちんとした身だしなみやマナーの良さ、ハキハキと話せる人物が求められます。

そのうえで、なぜ設計の仕事がしたいのかといった志望理由の明確さ、また仕事に対する積極性や誠実さも求められます。また、設計事務所全般に言えることですが、プロジェクトの進捗状況によっては、遅くまで仕事をするケースがあるため、働き方への理解も事前にしておくと良いでしょう。

事務所によって異なりますが、一般的な企業のようなオーソドックスな質問はもちろん、スキルや今までの実績などについての深掘りなどもされる場合があるため、どのような質問にもしっかりと答えられるようにしておくと良いでしょう。

面接で見られるポイントとアピールの仕方

意匠設計事務所は、冒頭にご紹介したように、設計の基礎知識を活かし、クライアントの要望や求めるイメージに沿ってコンセプト立案やデザイン・設計を行う必要があります。

その為、クライアントが要望しているイメージを聞き出すヒアリング力やコミュニケーション能力が必要となるため、面接においても相手の話を聞くことができるかといった点や、相手に分かりやすく説明できるか、といった点が求められるため、意識してアピールできるようにしておくと良いでしょう。

また、意匠設計事務所にもそれぞれ様々な特色があるため、選考を受ける事務所のどこに魅力を感じ、志望したのかという理由をしっかりと伝える必要があります。
その為、きちんと選考を受ける意匠設計事務所の理解を深め、またそこからどのようなキャリアプランを考えているのかをアピールすると良いでしょう。

意匠設計事務所は学部卒でも応募できる?

ここまで、意匠設計事務所についての基本的な仕事内容や、実際の選考に関するポイントをご紹介しました。

ここまで読んでくださった皆さんの中には、建物の設計の基礎を担う意匠設計事務所に魅力を感じ、ぜひ選考を受けてみたいと思った学部生の方も多いのではないでしょうか。

しかし、意匠設計事務所は学部卒でも応募できるのでしょうか。ここからは、選考における学部卒と院卒の違いについてご紹介します。

意匠設計事務所だけでなく、設計事務所の中には、学部卒でも採用を行っている事務所はありますが、基本的には院卒の学生が多く採用される傾向があります。その為、学部卒で設計事務所に就職することは基本的には難しいと言えます。

院卒であれば、設計の経験値の差から、学部よりも専門的な知識やスキルが身に着けることができるため、同じ設計事務所の業界でも就職の幅が広がります。
また、自分自身のキャリアプランをより具体的に考える時間が得られるため、そういった点もメリットであると言えます。

しかし、学部卒だからといって、設計事務所に就職ができないという訳ではありません。

学部卒であっても、オープンデスクでの実務経験や実績などがあることで採用される確率が上がる可能性があるため、自分自身の経験やスキルを見直し、大学院に進んで就職するか、学部卒で選考を受けるかを決断すると良いでしょう。

事務所ごとの志向性の違いも理解しておこう

意匠設計事務所は特に、個人の建築家を中心とした組織のため、建築への考え方などの違いが顕著です。
自分がこういう建築を作りたいと思うものがあれば、事務所の実績集をよく見て、共感できる部分があるのか、またその理由は何かを確認しておきましょう。

まとめ

今回は、意匠設計事務所に就職するためのポイントをご紹介しました。

意匠設計事務所への就活は、一般的な企業への就活と異なり、事務所のホームページを逐一確認して採用が行われているか、募集要項はどのようなものかをチェックすることが必要です。

また、応募する前に、今の自分が持っている経験や実績、スキルを見直し、学部卒で選考を受けるか大学院に進むかを考えることもひとつの手です。

まずは自己分析を行い、自分のキャリアプランの為に今できる最適な方法を考えてみてくださいね。

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