道路だけど建築職?高速道路の建築部門ってどんな仕事をするの?

2021年12月29日 更新

高速道路と聞くと道路の建設や整備が注目されがちなので、土木の仕事をイメージすることが多いと思います。

しかし、高速道路には関連する施設が多くあり、高速道路を運営する企業の技術系の職種である建築部門が施設、設備に関するさまざまな分野で活躍しています。

今回は、高速道路系企業のなかで建築部門の職種はどのような役割を担っているのか、建築部門の仕事内容について説明していきます。

高速道路系企業での建築部門の役割

高速道路では道路に注目が集まりがちですが、サービスエリアやパーキングエリアなどの休憩施設や料金所、道路管制センターなど多くの建築物があります。

建築部門では、これらの建築物を設計から工事まで関わるだけでなく、その後の保全や改築なども担当します。

建築部門は機械、電気、通信部門と同じ施設職として採用される場合があり、建築分野以外にも関連する設備全ての仕事を担当することもあるため、他の分野に対する理解も必要になります。

地域に合わせた休憩施設づくり

建築部門の担当の1つであるサービスエリアなどの休憩施設は近年、複合商業施設化が進められており、休憩施設から利用者を満足させるための施設へと変化しています。

サービスエリアは会社にとって大事な収益事業でもあるため、建築・改築の際には、テナントに入る店舗の営業のしやすさや、サービスエリアの利用者の満足感を高めることを念頭に置きながら設計を進めていきます。

また、高速道路系企業は地域との繋がりを大事にしている場合が多いので、サービスエリアやパーキングエリアの外観を決める際に、地元の街並みなどの景観を参考にするなど、周辺環境の地域性や交通特性を活かした施設づくりに取り組んでいます。

建築部門の仕事内容

点検業務

建物や設備を長く使用するために、定期的な点検を行います。

建物の外壁や天井のヒビ割れ、窓枠の隙間の点検をはじめ、建物用設備が正常に機能しているか、検査機器を用いて、トラブルの種や故障の原因を早期に発見します。

また結果データを詳細に分析し、長期利用を意識した補修計画の立案なども行います。

分析・解析

点検に基づいた検査結果を、各分野で分析評価します。この分析データを蓄積し、最適な補修計画を立案・提案することで、より快適なエリア空間の実現につながります。

計画・設計

点検・手入れや工事で培ってきたノウハウを活かし、建物を少しでも長く快適に利用できるように、老朽化に強い建築物の設計を行います。

今後何十年も利用されることを考え、完成後の修繕や維持管理のことも考慮しながら設計を行います。

保全工事・施工管理業務

建物改修などの工事において、現場状況や図面書類により、工程や品質、安全について適切な管理を行い工事全体をマネジメントします。

また、建物の外壁の劣化など、日々の点検で修繕が必要なものに関しては、利便性を保つためにも現場でスピーディに工事をします。

施設系として採用されたら建築以外の知識も必要

企業によっては建築職を機械や電気、通信といった技術職と一緒に、施設職として採用している場合があります。

施設職として採用された場合、機械や電気、通信といった専門領域以外にも高速道路の施設、設備のすべての維持管理や改良を担当する可能性があります。

以下に高速道路における機械と電気、通信それぞれの職種の役割をまとめてみました。

機械系の仕事内容

トンネルの非常用設備や融雪設備など高速道路に関連した機械設備の保守や点検、そして補修を担当します。

また除雪車やパトロールカーなど作業するための車両も機械部門が担当します。

電気系の仕事内容

高速道路の各種設備に必要な電力を供給する受配電設備や気象観測設備、照明設備など、高速道路の設備の多くは電力によって作動します。

それら設備の維持管理や設計、工事を担当するのが電気部門の仕事です。

通信系の仕事内容

渋滞や事故などの高速道路上の情報を、リアルタイムに収集・提供する道路管制システムやラジオ再放送設備、ETC設備などの高速道路の通信設備を担当するのが通信部門の仕事です。

高速道路の快適な利用のために今後も通信技術が導入されることが予想され、最新の技術に触れる機会も多い部門です。

施設職として共通する仕事

施設職として専門分野以外の担当になる場合もありますが、基本的な仕事内容はどの部門でも共通していて、計画、設計、プロジェクト管理、施工監理、保全、改築が主な仕事となります。

建築や機械、電気といった多くの知識を動員して仕事を進めていくため、さまざまな業務を通じて自分の能力アップにつながっていくことは、施設職として仕事を行う魅力でもあります。

まとめ

高速道路には道路に付随するさまざまな施設があり、中でもサービスエリア、パーキングエリアは多くの人に利用され、利用者の満足度にも大きく関わります。

最近ではそれぞれのサービスエリアが特徴を持ち、旅行の目的地の1つとなるなど、注目度も大きくなっています。

建築職がサービスエリアなどの普通の建物とは少し違った建築物の設計から保全、改築まで関わる機会があることは高速道路を運営する企業の特徴です。

また、企業によっては建築だけでなく機械や電気、通信に関わる全ての設備の保守点検、補修に携われるのも、高速道路を運営する企業で働くことの魅力の1つです。

皆さんも自分の専攻分野を今後どのような仕事を通じて活かしていきたいのか、どのような経験を積みながらキャリアを築きたいのかをイメージしながら就職活動をするようにしましょう!

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