理想的な住宅を提案する 「ハウスメーカーの営業職」の仕事内容や魅力とは?

2024年12月4日 更新

ハウスメーカーとは、住宅の設計・施工・販売を行う企業であり、自社ブランドを持ち、全国規模で営業していることが特徴として挙げられます。

近所で見かける住宅展示場やテレビCM、チラシなどで見かけることもあり、馴染みのある方が多いと思います。
そんなハウスメーカーの職種は大きく分けて「営業」「設計」「施工管理」と3つの職種があります。
なかでも住宅を販売するうえでお客様の窓口担当である営業職は、どういった仕事をしているのでしょうか?

今回はハウスメーカーの営業職の仕事内容や魅力についてご紹介します。
建築学を専攻している方々は設計職や施工管理職にも興味を持たれているかと思いますが、住宅が販売されるイメージを持つためにもぜひ参考にしてみて下さい。

ハウスメーカーの業態について

まずハウスメーカーの業態について簡単にご紹介します。

ハウスメーカーとは、全国規模または広範囲のエリアで事業展開をしています。住宅建築の企画、設計、施工のすべて行う「自社一貫施工」を行う会社では、施工を協力会社に依頼することで、同じ業者が工事を行うため安定した品質の商品を提供できます。

蓄積した技術を基に「自社独自の構造・工法などの商品開発」を行い高い技術力を武器としています。また、多くの会社では自社工場で部材を生産し、「設計から施工までをシステム化」しているため、短工期かつ安定した品質を実現しています。

大手企業ではグループ会社と連携し、引渡し後の定期点検やアフターサービス、リフォームを自社グループで行う場合もあります。

会社によって手がける規模も変わり、注文住宅、分譲住宅、賃貸住宅などの企画、設計、施工も行います。

注文住宅には外装や内装、間取りの全てを自分で決めていく「自由設計型」とすでに間取りが決まっている「規格型」があり、独自規格の制約もあるため、設計職として自由度の高い提案を望む場合には、会社ごとの研究が重要となります。


《ハウスメーカーの強み》

・全国展開での販売や、住宅展示場やテレビCMと言ったプロモーションにより、認知度やブランド力があり、社会的信頼度が高い

・自社工場で部材を製造しているように、業務がシステム化されているため、生産性が高く、住宅の完成までの工程が早い  

・「自社独自の構造・工法などの商品開発」を武器として、技術力が高い

・グループ会社で連携している企業は、顧客のサポート体制が整っている

などが挙げられます。

簡潔に言えば、地域の個人規模の工務店とは異なり、企業の規模が大きいことによる安定した生産ラインや充実したサービスを兼ね備えていることから、安心と信頼感を武器に住宅を提供している業態といえます。

ハウスメーカーの「営業職」について

仕事内容

営業職とは、お客様を最初から最後までサポートする窓口担当です。
仕事内容は主に、集客、顧客獲得、ヒアリング、契約、アフターサービスまで一貫してお客さんに関わり住宅の販売を行います。

営業職の仕事の流れは、大きく3つに分かれます。

最初は集客です。
チラシやCM、住宅展示場などのプロモーションを行い、顧客を獲得するところから始まります。多くのお客様に対して、商品やサービスを販売促進する戦略を企画・実行する能力が必要とされます。不動産会社など関連会社と連携をとることで、新規顧客を獲得する方法もあります。

また、企業によっては、個人顧客がメインの戸建て住宅や法人顧客がメインの賃貸住宅の場合があり、営業方法も異なります。

その次は商談です。
設計職同行のもとヒアリングを行い、お客さんの理想の住まいやライフスタイル、予算計画の相談などと共に商談を行います。

その際、自社の強みを伝えると共に、お客様の理想が提案するプランで実現可能であることをイメージしてもらうことが大切です。

また、相手の状態を理解し、仕草や表情、目線などをよく観察し、相手の気持ちを読み取り会話することも大切です。打合せを繰り返し行い、専門的な知識なども盛り込み、お客様の納得を得ることができたときに契約を交わします。

そして無事契約に至った場合、設計職に図面を仕上げてもらい、工事担当者へ工事内容を引き継ぎます。住宅が着工から竣工までどのくらいの期間を要するのかを見越したうえで、お客様の仮住まいのサポートや、工事中の住宅への追加の要望など、工事中も常にお客様の窓口となり、寄り添いながら関係性を築いていきます。

営業職は、お客様、設計職、施工管理職や工事担当者まで、基本的に幅広い人々とコミュニケーションをとり、連携して業務を進めていきます。
相手の状況などにも配慮し、意思疎通を図ることで、円滑に業務を行うことができるでしょう。

ハウスメーカー営業職の魅力とは 

ハウスメーカーの営業職とは、お客様の生涯で一度しかないと言われるほどの、人生の一大イベントである住宅購入をサポートする仕事です。お客様と真摯に向き合い、密接に関わり、関係を築いてきたお客様から「ありがとう」と感謝していただけることがやりがいとなり、魅力にもなります。

そして、どの職種よりもお客様との距離が近く、関係構築もしやすいことや相手の話をよく聞き、相手の目線で物事を考える対人折衝能力も身に付きます。

また、営業職は実力主義・成果主義の世界であり、成果や努力が給与に反映されている会社が多いです。基本給に加えて、好成績によるインセンティブやボーナスの反映が見込まれ、努力の対価が給与となります。

そして、自らの営業成績が数字となり、可視化されるため、成果を実感して達成感を感じやすいのが特徴です。

ハウスメーカー営業職に向いている人とは

ハウスメーカーの営業職は、必須資格を必要とする会社は多くありませんが「スキルや向いている人」に関しては職種は問わず、当てはまることが多いほど武器になるでしょう。

特に建物を扱う建築業界では、一つの工事を行うにも多岐にわたる専門業者の方々と仕事をしていきます。そのため、より幅広いスキルが求められてきます。

《ハウスメーカーの営業職に向いている人の特徴》

・住宅が好き
・相手の立場になって考えられる
・打たれ強く、ストレス耐性に自信がある
・競争心がある
・結果が可視化されることで、闘争心を持てる
・顧客など、人に興味が持てる
・お客様の顔や人柄を覚えられる記憶力がある
・お客様と密接に関わりたい
・常に明るく爽やかで、表情が豊か
・責任感、誠実さがある知識を蓄え(知的好奇心が旺盛で)提案に活かせる力がある
・顧客第一で働きたい
・問題解決力に優れている
・マネジメント力がある
・複数の業務を同時に進めることが得意
・計画的に物事を進められる
・多角的に物事を見る力がある

顧客とのコミュニケーションに真摯に向き合い、集客や課題、要望に対して、継続的かつ計画的に改善提案から実際の施工、アフターフォローまで一貫して対応することが求められる業界・職種と言えるでしょう。

自分の持つ強みを理解し、知識の引き出しを多く持っておくことで、実際の業務に応用できると思いますので、就活の自己PRの際に、上記を意識すると良いでしょう。

ハウスメーカー営業職に求められる資格は?

最後は、仕事をするうえで持っていると活用できる資格を4つに分けてご紹介します。
ハウスメーカーの営業職になるためには、選考時に資格を取得している必要は特にありません。

しかし、取得をしていることでお客様からの信頼を得ることにつながり、さらには今後の仕事の幅を広げたり、企業によっては給与アップなどキャリアアップへ繋げることができるといったメリットがあるので、参考にしてみて下さい。

建築士

建築士はクライアントの注文に応じて、建築物の安全性や快適性、構造や設備にかかわる技術を頭に入れながら仕事を行い、建築士法に基づいて建物の設計や工事監理を行います。主に設計職に就くときに必須とされます。

営業職として活躍するには、専門性が高い建築士免許は必須ではありませんが、お客様に対して「住宅の専門的な提案をしてくれる人」として信頼感を与えることができます。

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは、お客様の要望をヒアリングして、快適な住空間やインテリアプランを提案する専門職の資格です。

一次試験では、インテリアコーディネーションの計画、インテリアエレメント、インテリアの構造・構法と仕上げ、環境と設備、インテリア関連の法規・規格・制度などに関する幅広い知識を勉強することになり、二次試験ではインテリアを提案するためのプレゼンテーション(図面)の技能や、コーディネーターとしての資質(論文)を学ぶことになります。

住宅建築に携わるうえでは、建築士よりも難易度は低く、住宅営業に必要な知識を浅く広く学びやすく、お客様との会話の引き出しを増やすことができます。

ファイナンシャルプランナー(FP

お金に関する幅広い知識を活かして、個人の人生設計や資産運用に関する相談やアドバイスを行う専門家です。主に不動産、住宅ローンについての知識を役立てることができます。

相談者のライフスタイルや価値観、経済環境、家族状況、収入と支出の内容などを分析し、その人に合わせた資金計画や資産設計、アドバイスを行います。

ハウスメーカーの営業職においては、住宅購入の際のお客様のライフプランに寄り添った住宅ローンの組み方などの提案ができます。
住宅の知識だけではなく、基本的な金融関係の仕組みを頭に入れておいたうえで金銭面の相談に乗ることで、クライアントからの信頼を得ることにも繋がります。

宅地建物取引士(宅建士) 

不動産取引の専門家であり、国家資格です。宅地建物取引士の資格では、税金や建築に関わる法規定、民法、宅建業法、都市計画法、物件の権利や制限、取引に関わる条件などの知識を学ぶことができます。

住宅の販売に直接的に必要な資格ではありませんが、住宅販売や土地の売買、賃貸物件など不動産取引で不利な契約が結ばれてしまうのを防ぐよう設けられた資格でもあり、お客様の信頼獲得にも繋がります。

また、土地取引の仲介や、自社用地の販売、建売住宅の販売などの不動産関連の業務を担うことができるため、仕事の幅や転職の際にも有利に働きます。

以上がハウスメーカーの営業職に関わる主な資格です。

企業によっては従業員の資格取得が進むことにより、企業全体の生産性・業務効率を高められる効果や自己啓発促進のため、「資格支援取得制度」を導入している企業もあり、就職後のスキルアップしやすい環境を求める就活生にはチェックするべき項目なのではないです。

まとめ

今回はハウスメーカーの営業職に関する仕事内容や魅力についてご紹介してきました。

ハウスメーカー営業職は、お客様の高額な買い物を長期的にサポートする職種であり、お客様実力主義・成果主義の世界であり、自らの営業成績が数字となり、可視化されるため、成果を実感して達成感を感じやすいのが特徴です。

反対に成果を出せない時には忍耐強く努力を続けることが求められる職種のため自らに合った適性を分析し、営業職の仕事の魅力や就職後の働くイメージをより現実的に考え、就職活動を行うことが大切でしょう。

建築、土木を専攻をしている方の中でも
「専門性を活かしながら、技術職以外で仕事をしたい」
「営業職だから成長するスキルを身につけたい」 
と考えている方は、就職先の1つとして検討してみて下さい!

スカウトで就活を有利に進めよう

コンキャリでは、建築土木就活における記事を多数掲載しており、またカンファレンスからES・面接対策まで大小さまざまな建築土木に特化したイベントに参加することができます。

また、コンキャリに登録すると平均5社以上のスカウトを受けることができ、就活を安心して進めることができます。

ただ5社のスカウトを受けるわけではなく、各建築土木学生の方の状況や志望領域に合わせた5社のスカウトを受けることができるため、就活をかなり有利に進めることができます。

スカウトで就活を有利に進めよう

コンキャリでは、建築土木就活における記事を多数掲載しており、またカンファレンスからES・面接対策まで大小さまざまな建築土木に特化したイベントに参加することができます。


また、コンキャリに登録すると平均5社以上のスカウトを受けることができ、就活を安心して進めることができます。


ただ5社のスカウトを受けるわけではなく、各建築土木学生の方の状況や志望領域に合わせた5社のスカウトを受け取ることができるため、就活をかなり有利に進めることができます。


みなさまの就活を応援しています!

建築土木学生向け就活イベント開催中!
建築土木CAREER MEETUP CONFERENCE2024/東京開催
建築土木 CAREER MEETUPとは、建築土木を専攻する学生のための、企業と気軽に交流できる26卒向け就活MEETUPイベントです。 参加企業は、建築土木系に限定しており、ゼネコン、ディベロッパー、ハウスメーカー、設備系など多くの企業と一度に交流できるため、 一日で業界の知
3月16日(日) 03:00〜
関東
企業選びから面接準備まで 就職何でも相談会
志望度の高い企業になぜ行きたいのか、自信をもって志望動機を伝えることはできますか? 論理性や独自性に欠ける、どの会社にも当てはまるような志望動機になってはいないでしょうか。 本選考では、サマーインターンの選考と異なり、「学生と自社とのマッチング度」や「学生の自社への本
2月8日(土) 10:00〜
オンライン
【26卒向け】ゼネコン志望の方向け ゼネコンの業界分析から選考対策まで徹底講座
建築土木学生の方であれば、ゼネコン業界は多くの方が選択肢に入れる業界の一つになると思います。 ゼネコンと言っても、マンションから工場、商業施設などといった建物によっても、その特徴は大きく変わってきますし、また扱う地域によっても各企業の特色は大きく異なってきますが、それらの性質を
2月10日(月) 09:00〜
オンライン
建築土木CAREER MEETUP2024/東京開催
建築土木 CAREER MEETUPとは、建築土木を専攻する学生のための、企業と気軽に交流できる26卒向け就活MEETUPイベントです。 参加企業は、建築土木系に限定しており、ゼネコン、ディベロッパー、ハウスメーカー、設備系など多くの企業と一度に交流できるため、 一日で業界の知
2月11日(火) 03:00〜
関東

まずはコレ!編集部おすすめ記事

「仕事を知る」の新着記事

もっと見る
コンキャリに登録すると...
新規会員登録(無料)

最新情報をチェック!新着記事はこちら

もっと見る