建設工程の重要な担い手「測量士」の魅力とは?

2021年12月29日 更新

身の回りに存在するあらゆる建物。これらの建造物の建築工事を行うにあたって、必ず測量という作業を行います。この測量は誰でもできるわけではなく、国家資格を持った測量士という職業の人達によって行われているのです。

今回は、測量士とはどんな仕事をしているのか、測量士になるための必要な資格や過程、そしてどのような人が測量士に向いているのかをご紹介します。

測量士が行う仕事「測量」とは?

測量士が行うのは測量という作業です。では、この測量とはどのようなことをするのでしょうか?

ビルだけでなく橋やトンネル、ダムなどこれらを作るときにまず最初に行うのが測量という作業です。建物を作る際に土地の高さや位置、面積などを図る必要があり、その結果をもとに図面を作成します。長さを測るというと、そんなに難しいイメージを持つ人は少ないかもしれません。しかし、実際の土地は正方形や長方形など簡単な形をしていません。土地の地表は複雑な形をしていて、そこに今後何十年も使用される建物や大勢の人が利用するビルなどが建てられるのです。

そのため、測量には非常に正確な作業が求められ、もしこの工程でミスが出てしまうと、この後の工程が上手く行かなくなってしまいます。測量は、この後の建設作業が安全に、そして正確に行われるようにする為の最初のステップなのです。

測量士になるために必要な資格とは?

正確な仕事が求められる測量ですが、それを行う測量士になるには資格が必要となります。測量士に関する資格には、「測量士」と「測量補士」という2つの国家資格があり、この資格を持つことで国や自治体が行う公共測量を行くことができるようになります。

測量士と測量補士の違いは、これからどのような測量を行うのかを決める測量計画を作成できるかどうかです。測量士は測量計画を作成できるのですが、測量補士は自分で測量計画を作成することはできず、測量計画に従って測量業務を行うことになります。

測量士になるための過程

では、国家資格である測量士の資格はいったいどのようにして取得できるのでしょうか。

国土地理院のホームページには以下の5つの方法が記載されています。

1 .大学であって文部科学大臣の認定を受けたものにおいて、測量に関する科目を修め、当該大学を卒業した者で、測量に関し一年以上の実務の経験を有するもの

2. 短期大学又は高等専門学校であって文部科学大臣の認定を受けたものにおいて、測量に関する科目を修め、当該短期大学等を卒業した者で、測量に関し三年以上の実務の経験を有するもの

3 .測量に関する専門の養成施設であって第51条の2から第51条の4までの規定により国土交通大臣の登録を受けたものにおいて一年以上測量士補となるために必要な専門の知識及び技能を修得した者で、測量に関し二年以上の実務の経験を有するもの

4 .測量士補で、測量に関する専門の養成施設であって第51条の2から第51条の4までの規定により国土交通大臣の登録を受けたものにおいて高度の専門の知識及び技能を修得した者

5 .国土地理院の長が行う測量士試験に合格した者

難しく書かれていますが、大きく分けて2通りの資格取得の方法があります。1つは大学や専門学校で測量について学び、卒業から一定期間、測量の仕事に関わる方法で、もう1つが試験を受けて合格する方法です。

測量士になるために学校などに通わなくても、測量士の資格を取ることはできます。しかし、測量士の資格の合格率は10%前後とも言われており、合格するのは難しいようです。

一方、土木系の学科に通っている生徒は、卒業時に測量補士の資格が取得出来るため、そのことがきっかけで測量士の資格を目指す学生の方もいます。みなさんが所属する学科によって、実は測量士になるためのアドバンテージがある場合があります。気になった方は一度調べてみることをお勧めします。

測量士の資格を取得した後の就職先は?

資格を取得した後は、測量を専門に行う測量会社に就職するのが一般的です。その他の選択肢や、その後のキャリアとしては建設コンサルタント会社に勤める場合や、独立をして測量会社を経営するというケースがあるようです。また、測量士の経験を活かし、他の業種に転職するなど、活躍の道は様々あります。

測量士に向いている人とは?

ここまで測量士の仕事や資格について説明してきましたが、測量士にはどのような人が向いているのか、また求められる能力などについても説明していきたいと思います。

建築関係の仕事としてイメージするのは、設計図を描くことや工事を行うことなどが挙がると思います。測量士の仕事は、上記でも説明した通り、建設の作業が正しく安全に行われるための、土地の測量になります。そのため、あまり目立つ仕事ではありませんが、建設の工程全体で見ると欠かすことのできないとても大事な仕事です。

このように、測量士の仕事は縁の下の力持ちのような役割を担い、裏でみんなのサポートをすることが得意な人が測量士の仕事に向いていると言えます。
また、測量には正確さが求められます。緻密さも求められるため、細かな作業や1つの作業に集中して取り組むことが得意な方は測量士に向いています。

最近は測量技術も日々進化しています。最新の技術に興味がある方や、新しいことに挑戦することに抵抗のない方は測量士になった後のキャリアアップもしやすくなるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
普段あまりスポットの当たることのない測量士という職業ですが、建設の中で重要な部分を担っていることをお分かりいただけたでしょうか。

進路を決めるにあたって、さまざまな職業を調べることは、自分自身の可能性を広げることにもつながります。その仕事が自分に向いているのか、就職した後のキャリアの進め方など具体的にイメージしながら進路を決めてみてください。

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