公務員志望者は必読!国家公務員(建築技術職)になるために

2021年12月29日 更新

国家公務員は、事務系の仕事がメインに思われるかもしれませんが、実は技術系職員として建築業務にも携わることができます。
一口に国家公務員の建築業務といっても、各官庁にて仕事内容が異なる特徴があります。そこで今回は建築や土木、都市を管轄する「国土交通省」を中心にご紹介します。
理解を深めて進路選択の1つとして参考にしてみてください。

国家公務員について

国家公務員の職種は、主に「一般職」と「総合職」の2種類に分かれます。
今回は国土交通省を例にとり、それらの違いや業務内容についてご紹介します。

総合職に関する情報

業務内容

国家公務員の総合職は世の中にある課題や問題の解決を目指し、政策の立案や制度、ルールといった体制・仕組みを作る役割をになっています。
その中で、建築分野の職員は主に建築に関する知識をもとにして、政策の立案から事業の現場に至るまでの幅広い業務を担当します。

勤務地

大きく分けて3種類あります。
1.霞ヶ関にある本庁
2.都道府県別にある地方整備局
3.そのほか地方公共団体や他の省庁、世界各国にある在外公館
です。
※それぞれの勤務地は又の名を1の場合は官庁で、2を出先機関と言います。

ご覧の通り勤務地は日本が中心ですが、世界各国でも働くチャンスがある職種と言えます。

一般職に関する情報

業務内容

一般職は、総合職をサポートする位置づけで、立案された政策や制度などを実行する役割を持っています。業務内容は、事務的なものや建築や土木などの専門的な業務を行います。

勤務地

一般職の勤務地は、総合職と同じように本庁や地方整備局などです。
しかし総合職よりも地方整備局の勤務の割合が高い傾向があります。そのため、エリアを絞って政策などを実行して行く仕事が主となります。

国家公務員の建築業務

冒頭で説明したように国家公務員は建設業務も担います。各機関によって職務内容が変わるため、今回は、「国土交通省」と国家公務員の中でも志願者数が多いとされている「外務省」に絞って紹介をします。

国土交通省

国家公務員の建築職といえば、国土交通省を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?実際の仕事としては、各自治体のまちづくりに関する制度の助言を行ったり、交付金や補助金の要望あるいは交付申請の審査を行ったりします。各自治体のまちづくりの推進を手助けする役割を担います。

本庁での業務領域

1.建築物バリアフリー化を進めるための枠組みづくり、建築物・住宅の省エネ性能に関する制度作
2.住宅の性能を表示する制度づくりなど
3.再開発事業などにおけるまちづくりの支援や密集市街地の解消支援、観光振興や街並み整備、空き家活用などの支援、コンパクトシティの実現に向けた制度づくりなど

官庁営繕

国営の公共建築の建築や修繕を統括する業務を担います。
整備事例は、総理大臣官邸の建築や国立西洋美術館の改修と増築、伊勢志摩サミット関連施設の建築などが挙げられます。また、以上のような公共建築の建築にあたって、環境配慮、防災対策、まちづくり的な視点から技術の指導や監督の業務を行います。

参考文献:国土交通省 「技術系業務紹介 2020年版

地方整備局

地方整備局は地方で分かれていて、関東や東北、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の全8地方です。業務内容は建築業務を中心として、地域でのまちづくりの根幹を担う重要な役割を担います。
下記が主な業務領域です。

  • 河川の整備・維持管理、ダムや遊水地、水門など河川管理施設の維持管理など
  • 道路・国営公園・下水道などの都市空間設備、公営住宅・住環境の整備、建設業の認可、建築に関する指導など
  • 道路網の整備・維持管理、通学路の交通安全確保や、歩道のバリアフリー化、自転車道整備
  • 公園”を整備、運営管理、安全性の高い防災公園整備、公園内にある歴史的な建造物や文化財の保存・復元・活用
  • 空港:港湾と空港の産業機能を強化
  • 国家機関の建築物である官庁施設、文化施設、研究施設などの営繕、保全
  • 用地を確保、正しい測量・調査
  • 河川に関する工事や維持管理(ダム、水門、河川敷など)
  • 橋梁、トンネルなど多くの道路構造物などの管理

外務省

国土交通省のほかにも建築系の業務を担う部門を持つ省庁がありますが、外務省はその1つです。
外務省は主に海外と連携する業務がイメージする方が多いかもしれませんが、建築業務も担当します。例えば在外公館や付随する施設の建設業務から、完成後も修繕工事を担います。

まとめると各省庁に建築職は存在していて、それぞれで業務も変わります。ご紹介した国土交通省からの出向先としてこれらの省庁が挙げられるでしょう。
事前に同じ建築職でも、それぞれの官庁がどのような業務を行なっているのか認識をしておきましょう!

国家公務員になるには

実際に国家公務員と名乗るためには、「人事院」が主催する「国家公務員採用試験」を合格する必要があります。合格後は「官庁訪問」をして、各機関から合格とみなされると内定が頂けます。

こちらでは、「国家公務員採用総合職試験」および「国家公務員採用一般職試験」と「官庁訪問」に関する出題内容などを紹介します。※今回は2020年度の試験を例にします。

国家公務員採用総合職試験

総合職の採用試験の特徴は、出題される問題の難易度が高いことです。
理由としては総合職の業務内容が政策の企画や立案であることから高度な知識や技術が必要とされるからです。

試験内容
1次試験
基礎能力試験(択一式・180分・知能分野/27題・知識分野/13題・計40題)
専門試験(択一式・210分/40題)

2次試験
政策論文試験(120分)
専門試験(記述式・210分/2題)
人物試験

資格条件
主に下記2点です。
1.1990年4月2日から1999年4月1日生まれの人
2.1999年4月2日以降の生まれの場合は、大学卒業見込みが2021年3月までの人

国家公務員採用一般職試験

基礎能力試験については、中学・高校で学習した数学や社会経済の知識程度のレベルですが、特に一般知能のウェートが高く全問題数の約7割をそのため、最初は一般知能対策を優先に取り組む必要があります。

試験内容
1次試験
基礎能力試験(択一式 140分・知能分野/27題・知識分野/13題・計40題)
専門試験(択一式 180分/40題)
(記述式 120分/1題)
2次試験
人物試験

試験日
第1次試験は6月14日で、第2次試験が7月15日~8月3日の予定をしていましたが、コロナウイルスの影響により第1次試験を8月9日に、第2次試験を9月に行うことになりました。

資格条件
総合職と同様です。
1.1990年4月2日から1999年4月1日生まれの人
2.1999年4月2日以降の生まれの場合は、大学卒業見込みが2021年3月までの人

官庁訪問

上記の「国家公務員採用一般職試験」を合格した後は官庁訪問をします。

官庁訪問は志望する官庁を訪問すると同時に採用の面接をします。
※面接の回数や質問の内容は官庁によって異なるので、注意しましょう。
また「国家公務員採用一般職試験」に関する詳しい情報は、下記URLを参考にしてください。

人事院国家公務員試験 採用情報NAVI「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)

まとめ

いかがでしたでしょうか?
国家公務員の建築職は、官庁によって異なると同時に、専門的な知識が現場にて求められます。しっかりと志望する官庁を定めた上で、どのような建築の知識があればいいのか予め認識をしましょう。

それだけでなく試験についても、官庁によって異なるので出題問題の傾向や面接で問われやすい内容もしっかりと事前に把握していきましょう。

最後に国家公務員としても建築職として、働けることを視野に入れて就職活動を励んでください。

スカウトで就活を有利に進めよう

コンキャリでは、建築土木就活における記事を多数掲載しており、またカンファレンスからES・面接対策まで大小さまざまな建築土木に特化したイベントに参加することができます。


また、コンキャリに登録すると平均5社以上のスカウトを受けることができ、就活を安心して進めることができます。


ただ5社のスカウトを受けるわけではなく、各建築土木学生の方の状況や志望領域に合わせた5社のスカウトを受け取ることができるため、就活をかなり有利に進めることができます。


みなさまの就活を応援しています!

建築土木学生向け就活イベント開催中!
ESから面接にむけた事前準備 自己PR会
「普段話しているガクチカや志望動機、自己PRにいまいち自信が持てていない」 「面接官の質問の意図がわからないことがある」 以上のような、面接官とのコミュニケーションについての疑問・質問がコンキャリにも数多く寄せられます。 優秀な学生の方、社会人から見られているポイン
4月25日(木) 09:00〜
オンライン
企業選びから面接準備まで 就職何でも相談会
志望度の高い企業になぜ行きたいのか、自信をもって志望動機を伝えることはできますか?論理性や独自性に欠ける、どの会社にも当てはまるような志望動機になってはいないでしょうか。 本選考では、サマーインターンの選考と異なり、「学生と自社とのマッチング度」や「学生の自社への本気度」を
4月25日(木) 09:00〜
オンライン
【26卒向け】ハウスメーカー志望の方向け ハウスメーカーの業界分析から選考対策まで徹底講座
ハウスメーカー業界は建築学生だけではなく、多くの学生から人気の業界であるため、多くの就活生が応募します。 しかし、ハウスメーカーは、近い業態の企業もあり、業界研究が難しい業界でもあります。 また、住宅の供給数の内訳のなかで、大手企業が占める割合は3割程度であり、それ以外は多く
4月25日(木) 09:00〜
オンライン
【26卒向け】インテリア関連の方向け インテリアに関連する企業の分析から選考対策まで徹底講座
建築を学んでいる学生の方にはインテリアや、インテリアのデザインに興味を持っている方も多いと思います。 インテリアに関連する仕事というと「インテリアデザイナー」という職業が有名ですが、インテリアデザイナー以外にもインテリアに関わる職業はいくつか存在します。 また、インテリア
4月26日(金) 09:00〜
オンライン

まずはコレ!編集部おすすめ記事

「仕事を知る」の新着記事

もっと見る
コンキャリに登録すると...
新規会員登録(無料)

最新情報をチェック!新着記事はこちら

もっと見る