設計職志望者は必見!「ポートフォリオ」について

2021年12月29日 更新

特に建築の設計職を希望する人であれば一度は耳にする「ポートフォリオ」。就活を始めてから初めて聞く人も少なくないと思います。

いざ作るとなると、何を盛り込めばいいのか、何が求められているのか、どんな部分を見られているのかなど、さまざまな疑問が出てくると思います。

そんなときに役立つ情報や、ポートフォリオを作るコツをご紹介していきます。

ポートフォリオとは?

そもそもポートフォリオとは何か、ご説明します。

簡潔に言うと、「自身の設計力や強みを伝えるための作品集」のことです。
今まで自分が設計してきた作品を紹介することが主な目的ですが、それだけではありません。
紹介していくなかで、いかに自分の能力や人柄を表現するかがポイントです。

基本の構成は、自己紹介1ぺージと今までの作品の中で自信のある3,4作品を各2~3ページずつにまとめたものです。
それらに加えて作品の時系列や趣味についてのページも添えてもいいでしょう。
できたものをA3程度の紙に印刷し、提出します。企業によっては、データでの提出を求める場合もあります。

ただし、これはあくまでも一例に過ぎません。
企業が提示する条件によって、より少ない枚数に抑える場合や、ボリュームを増やす場合など、求められるものが異なります。選考の際にはしっかりと確認しておきましょう。

ポートフォリオの目的


では、このポートフォリオは何のために作るのでしょうか。

一番の目的は、あなた自身をアピールし、その会社の力になることを示すことです。
企業はポートフォリオを通して、あなたのパーソナリティや設計のスキル、設計などのものごとに対する姿勢を見ています。

また、図面やパース、それらのレイアウトなどから、あなたのCADなどの設計ソフトやイラストレーターなどのソフトを扱う能力が分かります。
自分の得意なものをいかにうまく魅せるかが重要です。

そして、ポートフォリオは量より質です。
ただ自分が設計してきたものを載せればいいというわけではありません。
量が多くても、アピールしたい内容が相手に伝わらなければ意味がありません。
情報を詰めこみすぎず、自分が伝えたいことをシンプルにまとめるよう心掛けましょう。

また、面接時にはポートフォリオをもとに、プレゼンを求められることが多くあります。
社会人になると、お客さんや他社の方を相手に説明することも多くなっていくため、企業はプレゼンを通して、あなたの言葉遣いや話の分かりやすさ、表情を見ています。
プレゼンする際の話し方や、分かりやすさも意識し、事前に発表練習をするようにしましょう。

ポートフォリオが求められる職種

続いては、ポートフォリオにおける評価のポイントを職種ごとにご紹介します。

就活の際にポートフォリオが必要になるのは、主に、意匠設計、インテリア・空間デザイン系の設計職を希望する場合です。
施工管理職や設備設計職などを希望する場合はほとんど求められませんが、ゼネコンやハウスメーカーの設計職、設計事務所などを希望する場合は、多くの企業から求められます。
そのため、ポートフォリオが必要かどうか、必要なのであればその条件を、各々で事前に調べておきましょう。

次に、職種ごとにポートフォリオの条件の例を紹介していきます。

設計事務所

設計事務所は意匠計画・設計が専門なので、より内容の濃いポートフォリオが求められます。

特に、個々のデザイン力が求められるアトリエ系設計事務所では、その傾向が顕著に現れています。コンペなどでの入賞歴も評価の対象になることが多いため、アトリエ系設計事務所への就職を希望している方は、コンペに積極的に参加するといいでしょう。
コンペとはコンペティションの略で、課題に対して設計し、それを複数の設計者と競うものです。

ポートフォリオの構成としては、自己紹介と、自信のある3作品を各5~10ページずつ、その他のいくつかの作品を2ページずつで紹介するのが主流です。

ハウスメーカー、ゼネコンの設計職

ハウスメーカーやゼネコンの設計職では、ポートフォリオを求めらる場合が多くあります。
両者の設計は、設計事務所の設計ほどのデザイン性は求められていないため、独創性よりも堅実さが求められます。
その点もポートフォリオに反映するといいでしょう。

ポートフォリオの構成としては、自己紹介と、自信のある4作品程度を各2,3ページずつにまとめたものが主流です。
設計事務所に対するポートフォリオよりも枚数は少ないですが、これは面接の際にポートフォリオのプレゼンの為に与えられる時間が5~10分程度と少ないためです。

ゼネコンの都市開発部門

ゼネコンの都市開発部門でもポートフォリオを求められることがありますが、設計職など他のポートフォリオと少し毛色が異なります。
それはパーソナリティや経験を重視することです。設計作品だけではなく、留学や研究活動などの経験から自身の考え方やパーソナリティを伝える心がけをするとよいでしょう。

ポートフォリオの構成は、自己紹介とこれまでの経験について1,2ページ、作品について1,2ページでまとめ、計2~4ページが目安となります。
面接時に10分程度で発表を求められる場合が多いです。
自己紹介では、趣味や特技を書いておくと、話の導入がしやすく人柄も伝わりやすいです。

ポートフォリオの作り方とポイント

次に、ポートフォリオ作りに着手するときに意識してほしいポイントを紹介します。

まずは、ぱっと見たときに「作品のコンセプト」が伝わるようにすることです。
面接では、少ない時間で自分を知ってもらうことが重要です。
コンセプトは作品の根幹となる考え方なので、わかりやすくまとめるとよいでしょう。
加えて、そのコンセプトに至った背景も一緒に添えるとよりよいでしょう。

また、共同設計の作品があれば、その作品も紹介しましょう。
実際の仕事は最初から最後まで一人きりで行うことは少ないので、チームワーク力のアピールに役立ちます。

文章を書く際にも気を付けることがあります。
まずは字の大きさです。面接官に見せながらプレゼンする場合、小さすぎると文字が読めなくなってしまうので特に注意が必要です。
文章の内容も、詰め込みすぎず、シンプルで読みやすい文章にすることを心掛けましょう。

自分が最も伝えたいことが、相手に確実に伝わるポートフォリオを目指しましょう。

また、面接ではポートフォリオを面接官に見せながら10分程度で発表を求められる場合が多いです。円滑に発表するためにも、発表を想定しながら、ポートフォリオを作るようにしましょう。

作り始める時期は?

作り方のポイントについてお伝えしましたが、いつ頃から着手するとよいのでしょうか。
企業や職種によって選考の時期も違うので、一概には言えませんが、本選考のエントリーから逆算して3ヶ月より前に着手するのが望ましいでしょう。

余裕を持って完成させ、面接の前に先輩や先生からアドバイスをもらっておくとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、設計職志望の就活生の要であるポートフォリオについてご紹介しました。

提出期限を早めに設定している企業もあります。
確認を怠らず、時間に余裕があるうちにポートフォリオの作成に着手しておくと、後々楽になるのでおすすめです。

企業ごと、職種ごとに求められているものは違いますが、大切なことは、シンプルで分かりやすくすることです。
与えられている条件の中で、自分の強みを表現し、伝えるためのツールとして、ポートフォリオをうまく活用しましょう。

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