【就活生必読!】どんな業界が世の中にある? 建築土木にまつわる業界の全体像をご紹介!
就職活動において、早い段階で会社の選択肢を知ることはとても重要です。特に建築土木は、さまざまな主体が連携して、建物や構造物を作り上げています。
それぞれがどのような役割でどのような事業を行っているのかを知ることで、自分が携わりたい業界が見えてくるでしょう。
今回は、建築土木にまつわる業界の一覧と概要をご紹介します。業界研究などに役立ててみてください。
この記事の目次
1.建設系
建設系は、大まかに3つの業界に分類できます。
ゼネコン業界
ゼネコンとは、General Contractor(総合請負業者)の略で、建築や土木構造物の建設を発注者から請負い、建設を行う会社です。工事を請負ったあとは、サブコンと呼ばれる専門の建設会社と連携しながら、工事全体を統括します。
ゼネコンの魅力は、長年培ってきた建設技術を用いながら、地図に残る仕事ができる点です。ゼネコン業界内でも会社の規模や建設技術の強みの違いによって、作り上げるものの規模などは異なりるため、興味のある方は、各社の事業ポートフォリオなどを見てみると良いでしょう。
ゼネコン業界について詳しく知りたい方は、「世界に誇る建設技術を持つゼネコン業界の理解を深めよう」をご覧ください
サブコン業界
サブコンとは、Sub Contractor(下請け業者)の略で、ゼネコンと協力しながら、建物や土木構造物のより細部の施工を請け負う会社を指します。主に設備や基礎など、より専門的な技術が必要となる工事を行います。
そのため、建物や構造物を作るためには、サブコンの力が必要不可欠です。建設業界を下支えするサブコンについて詳しく知りたい方は、「サブコンとはいったいどんな業界?ゼネコンとの関係性や仕事内容を紹介」をご覧ください。
マリコン業界
マリコンとは、海洋土木工事を専門とする建設会社の総称です。事業領域は、堤防をはじめとする港湾施設や、橋梁の基礎、海底トンネルといった規模の大きい事業を行います。
東日本大震災で被害を受けた漁港や造船工場の復興をはじめ、社会貢献性の高い事業を行っている点が魅力的だと言えます。マリコンは必ずしも独立した組織ではなく、ゼネコンの中にも海洋土木を得意とする会社もあります。
マリコンについて詳しく知りたい方は、「海洋工事の専門家 「マリコン」ってどんな業界?」をご覧ください。
2.設計事務所
設計事務所は、主に建築やその周りの外構の設計を行う組織で、会社の規模や専門としている領域によって種類がさまざまです。
建築においては、建築規模の大きい建物の設計を手掛ける組織設計事務所やゼネコン(設計部門)や、個人の建築家を中心としながら大規模建築の意匠監修や個人住宅の設計を行うアトリエなどが挙げられます。
また、意匠だけではなく、設備設計や構造設計を専門とする設計事務所も存在します。建築の設計事務所業界について詳しく知りたい方は、「建設の根本を支える「設計事務所」業界を解説!」をご覧ください。
土木領域でも、数は少ないですが、ランドスケープや土木構造物のデザインを行うアトリエ系の事務所はあるため、気になる方は調べてみると良いでしょう。
3.住宅系
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、注文住宅や建売住宅を販売する会社のうち、全国で事業展開をしている会社を指します。そのため、プレファブで予め自社で建材などを作り、効率の良く住宅を供給する点が特徴的です。ハウスメーカーは、各社、住み良い住宅を追求するために性能を高める研究を行っています。
ハウスメーカーの魅力は、ユーザーに寄り添ったものを作りあげられることでしょう。ハウスメーカー業界について詳しく知りたい方は、「理想的な住宅を提供する「ハウスメーカー」ってどんな業界?」をご覧ください。
エクステリアデザイナー
エクステリアデザインとは、主に玄関周りや庭といった住宅の外構のデザインを指します。
エクステリアデザインは、新築だけではなく、既存の住宅も対象となります。エクステリアデザインは、住宅の見え方に直結するため、こだわりのある施主と共に仕事をすることができるでしょう。
エクステリアデザイン業界について詳しく知りたい方は、「建物の魅力を引き出す「エクステリアデザイナー」を徹底解説」をご覧ください。
4.不動産系
不動産系では、不動産への関わり方の違いから、3つに分類できます。
デベロッパー
デベロッパーとは、大規模なオフィスビルや商業施設、マンション、ホテルなどの不動産を開発する会社を指します。
事業内容は、土地の仕入れ、建てる建物の用途やデザインコンセプトの企画、ゼネコンや設計事務所への発注、竣工後の維持管理や販売など多岐に渡ります。事業主であるため、どんな建物を建てれば街がより良くなるか、という視点から街づくりを主導できる点が魅力的だと言えます。
デベロッパー業界について詳しく知りたい方は、「街づくりの中心である「デベロッパー」の魅力を種別にご紹介」や「デベロッパーの根本を担う「開発部門」の仕事内容とは?」をご覧ください。
不動産管理
不動産管理とは、デベロッパーが建てた建物や既存の建物の維持管理を請け負う会社を指します。マンションやオフィスビルなどの管理がメインになります。維持管理の質が高い建物は、建物の保ちも良いですし、ユーザーの過ごしやすさにも直結するためとても重要な仕事です。あの会社の維持管理なら安心して使えるという声も口コミで広がるほどです。
建物の管理を通じて、過ごしやすい空間を提供したい方にはおすすめの業界と言えます。不動産管理業界について詳しく知りたい方は、「賃貸だけじゃない!「不動産管理業」の仕事とは?」をご覧ください。
不動産仲介
不動産仲介とは、不動産を売りたい/貸したい側と買いたい/借りたい側のそれぞれのニーズを結びつけることです。
身近なものであれば街の不動産屋などが該当します。また大手であれば全国での不動産売買・賃貸を仲介しています。扱う建物も多種多様であり、BtoBやBtoC、CtoCのように顧客も多種多様です。資産運用としての側面が大きいため、建築だけではなく不動産の知識も重要な業界です。
不動産仲介業界について詳しく知りたい方は、「不動産と人を繋ぐ役割を担う「不動産仲介」とは?」をご覧ください。
5.ディスプレイ
ディスプレイ業界は、建物の内装や展示会などの空間デザインを提案する会社を指します。近年は商業施設や展示会だけではなく、働きやすいオフィス空間のデザインを行う事例も見られ、人が過ごす空間のデザインをする会社とも言えるでしょう。
日本の建築業界全体で、量から質への転換が進むなかで、今後先進的な空間を提案できる点が魅力的です。ディスプレイ業界について詳しく知りたい方は、「空間デザインを通じて人の心を動かす。ディスプレイ業界を徹底解説」をご覧ください。
6.リフォーム・リノベーション
リフォームリノベーション業界は、既存の建物を新しいデザインや用途変えるための改修工事を行う会社を指します。事業の例をあげると、住宅の内装だけではなく、倉庫の構造部分は残しつつ、内装を変えて店舗やレストランに改修した事例などがあります。
日本は、人口減少に伴い、新しく建物を建てるよりも既存ストックを有効活用する動きがあるため、今後も需要は伸びていく業界と言えるでしょう。
リフォーム・リノベーション業界について詳しく知りたい方は、「より快適な空間を提案する「リフォーム・リノベーション」業界とは?」をご覧ください。
7.メンテナンス・補修
メンテナンス・補修業界は、マンションやオフィスビルの大規模修繕工事をはじめとする建物のメンテナンスを行う会社を指します。マンションやオフィスビルのような大規模な建物は、長期修繕計画を策定しており、それに沿った建物の修繕工事を行います。ユーザーの生活を陰で守る大事な仕事と言えます。メンテナンス・補修業界について詳しく知りたい方は、「建物の安全を守る「ビルメンテナンス」業界を徹底解説」をご覧ください。
8.インフラ
インフラとは、産業や生活を守るための公共基盤であり、建築土木におけるインフラ業界は、鉄道や高速道路といった交通系のインフラを管轄する会社が挙げられます。
鉄道
鉄道業界は鉄道路線だけと思う方も多いですが、路線を維持するための線路やトンネル高架の維持管理や改修工事などを行います。また、建築部門は、駅舎にまつわる業務を行い、開発部門は鉄道の利用者を増やすために商業施設や駅ビルの開発など街づくりにまつわる事業を行います。
鉄道は日本の都市構造の骨格になっており、日本で最も用いられている交通機関です。そのため部門は違えど、人々の生活を支え、豊かさを提供する業界と言えるでしょう。
詳しく知りたい方は、「鉄道会社の建築技術職って何をしているの?」、「都市交通インフラの要!鉄道業界の土木部門とは」、「街づくりに大きく貢献する鉄道業界の「開発職」とは?」をご覧ください。
高速道路
高速道路も鉄道と同様に、高速道路やトンネルの維持管理をはじめとして、サービスエリアの施設の維持管理、その周りの広場の整備などを行っています。高速道路に携わることは日本の物流を支えることにつながります。またサービスエリアの施設にはさまざまなテナントが入りますが、ドライバーの良質な休息や、旅の思い出づくりのために必要不可欠な仕事と言えるでしょう。
詳しく知りたい方は、「高速道路の整備だけじゃない 高速道路業界における「土木職」の仕事とは?」、「道路だけど建築職?高速道路の建築部門ってどんな仕事をするの?」とはをご覧ください。
9.建設コンサルタント
建設コンサルタントとは、主に公共事業などの建設工事のコンサルタントであり、事業全体のアドバイザーとしての第三者的な役割の会社を指します。
公共事業では、まちづくりや防災、景観といったさまざまな観点からの計画が必要となります。質の高い事業を行うためにも、行政や、ゼネコンなどの施工業者とも連携しながら、建設コンサルタントが事業全体を統括します。
第三者的な位置づけと言いましたが、実際には、行政の要望を元にして、設計や計画などを建設コンサルが行うケースが多いです。
建設コンサルタント業界について詳しく知りたい方は、「建設業界における上流工程の担い手である「建設コンサルタント」ってどんな職業?」をご覧ください。
10.公務員
公務員の中には、建築土木の専門として技術職としての採用があります。これらは、省庁に勤務する国家公務員と、各自治体に勤務する地方公務員とに分類ができます。
国家公務員
建築土木系の国家公務員であれば、基本的には国土交通省に入省することになりますが、その後、霞ヶ関の本省で勤務する場合と、全国にある国土交通省が所管する部局で勤務する場合があります。
また、業務内容は、1)国が管理する建築や土木構造物の新設や維持管理、2)国土の保全にまつわる業務3)建設業界全体の技術的なサポートなどが挙げられます。
日本全国だけではなく、海外で働く機会もあるため、さまざまなキャリアプランがある業界と言るでしょう。
国家公務員について詳しく知りたい方は、「公務員志望者は必読!国家公務員(建築技術職)になるために」「公務員志望者は必読!国家公務員(土木技術職)になるために」をご覧ください。
地方公務員
地方公務員は、都道府県庁や市区町村の役所に勤務する公務員を指します。業務内容は、主に、学校や公園などの自治体が管理する公共施設の新設や維持管理を通じた総合的なまちづくりです。
その際、市民の安全や住みやすさなどを担保するために、防災や安全を考慮した計画を行います。また、建築であれば、建築許認可などの事務的な業務も行います。
人々の生活を守るような仕事がしたい方におすすめの職業です。地方公務員について詳しく知りたい方は、「建設業務は民間企業だけではない!「地方公務員の建築技術職」の仕事内容とは?」「地域の土木事業を統括する「地方公務員の土木技術職」の仕事内容とは?」をご覧ください。
11.研究機関
研究機関とは、建設技術や建材といった新しい製品や技術を生み出すための研究を行い、そこから実際に運用するための開発を行う職業です。代表的なのが、ゼネコンやハウスメーカーの研究開発所や建材メーカーの開発部門などです。また、シンクタンクの中にも、交通やまちづくりの研究を行う部門があります。
これらは、日本の建築・土木・まちづくりの成長を促進させる重要な機関です。各社の利益の枠に囚われず、日本の建築土木業界のレベルをあげ、社会貢献ができる点が魅力だと言えます。研究機関について詳しく知りたい方は、「様々な業界で活躍する「研究開発職」とは?」をご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
建築土木には、多くの業界があり、それぞれの事業内容や位置づけの違いなどをおわかりいただけたでしょうか。就職活動において、業界の位置関係や全体像を理解しておくことで、選択肢を的確に知ることができます。まだ業界を絞っていない人は、まずはいくつか興味のある業界をピックアップして、深く調べてみましょう。もうすでに絞れている方も、業界研究のためにも、再度俯瞰して全体を見ることをお勧めします。
そしてもし就活を進めるなかで迷いが出てきたら、またこの記事に戻り、全体を俯瞰して見るところから再スタートしてみましょう。
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ここまで建築土木にまつわる業界の全体像をご紹介しましたが、今回紹介した業界の詳細や、どの業界が自分に合っているのかを1人で考えるのは大変になってきます。
コンキャリでは建築土木に特化したアドバイザーが多数おりますが、そのなかでも各業界に詳しい専門のアドバイザーが在籍しており、 面接対策をはじめとして、各業界の選考対策をどのように行なっていけばいいかなど、専門的な手厚いサポートを行なっております。
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