空間デザインを通じて人の心を動かす「ディスプレイ業界」を徹底解説
ディスプレイ業界とは、さまざまな建物や空間の内装を手掛ける業界のことを言います。展示会などのイベント会場や美術館や博物館などの文化施設に加え、オフィスや店舗、ホテルなど、さまざまな分野の内装を手掛けています。実は、私達が生活のなかでよく訪れる空間のデザインを、このディスプレイ業界が行なっていたりします。
ディスプレイ業界の仕事の目的としては、イベント会場の空間デザインをディスプレイ企業に委託することでイベントへの来場者数を伸ばしたり、オフィスの内装をよりよくすることで社員の働きやすさなどを向上させるなどの、さまざまな要望を叶えてくことと言えます。いわば、「空間デザインを通じて人の心を動かす」仕事です。
今回は、そんなディスプレイ業界の職種から、そこで働くための必要な資格やスキル、そして業界自体の現状や今後の展望までご紹介します。
ぜひ参考にして、自分の興味のある業界がどうか吟味してみてください。
この記事の目次
ディスプレイ業界の仕事とは?
ディスプレイ業界の主な仕事内容
ディスプレイ業界と一口に言っても、その中にある職種はさまざまで、空間のデザインはもちろん、営業や制作まで幅広く手掛ける職種もあります。
主な企業としては、丹青社や乃村工藝社などの企業が挙げられます。ディスプレイ業界と聞いてピンと来ない方は、ぜひ調べてみてください。
ここからは、そうした職種ごとにディスプレイ業界の仕事内容をご紹介していきます。
ディスプレイ業界の職種
営業職
ディスプレイ業界の営業職は、既存の製品を売り込むのではなく、アイデアやデザインをプレゼンテーションなどで提案し、契約を獲得する仕事です。また、契約の取れたクライアントからのヒアリングも行い、それを後述する他の職種に伝え、連携を取るリーダーのような役割を担います。
コミュニケーション力はもちろん、クライアントの要望に沿うために他の職種をまとめあげる力も必要とされる職種です。
企画職
企画職は、先ほどご紹介した営業職と共にクライアントとコンタクトを取り、土台となる企画を制作する職種です。また、制作した企画をデザイナーに文章などで伝える役割も担っています。
クライアントからヒアリングし、作り上げた企画のイメージを正確に伝えなければならないので、コミュニケーション力はもちろん表現力も必要とされる職種です。
デザイナー
次にご紹介するのはデザイナー。営業職や企画職が持ち帰った企画を具体的にデザインしていく職種です。デザインにおける経験はもちろん、クライアントの要望にどこまで応えられるかという柔軟性や忍耐力も必要とされます。
専門性の高い職種となるので、培ってきたデザインの経験や知識を活かせる場でもあります。
制作職
最後にご紹介するのは制作職。デザイナーによってデザインされた図面を実際に制作する職種です。仕事を受け持ちながら、デザインされた図面を読み取る能力も必要とされます。
企業によって手掛ける分野が違うため、こちらの職種を目指す方はそれぞれの企業の仕事内容を比較してチェックしてみましょう。
ディスプレイ業界のやりがい
ディスプレイ業界の中でもさまざまな職種をご紹介しましたが、ディスプレイ業界全体のやりがいはどのようなものでしょうか。
人々の身近な空間を手掛けることも多いディスプレイ業界は、さまざまな空間を自分の経験や知識を活かして作り上げることができるため、そこから得られる達成感や充実感はやりがいに繋がると言えます。
ディスプレイ業界における就活で必要なもの
職種にもよりますが、ディスプレイ業界は専門性の高い職種が多い業界です。特に、制作職やデザイナーなどの技術職に就職するには、自分自身のスキルを形にして提示する必要があります。そのため、過去に作成していた作品などがあればポートフォリオとして提出したり、プレゼンテーションの用意などをしておくと良いでしょう。
次に、就職したあと、実際に働く上で資格やスキルはどのようなものが必要なのかをご紹介します。
ディスプレイ業界で必要な資格やスキルとは?
ディスプレイ業界に資格は必要?
こちらも職種によって異なりますが、ディスプレイ業界で働くうえで必要不可欠とされている資格はありません。
ただ、デザイナーなどの専門性の高い職種では、「インテリアプランナー」や「カラーコーディネーター」などのデザインに関係する資格を持っておくと、知識を活かしてデザイン性の幅を広げることができます。
持っておきたいスキルは?
次に、資格以外で持っておきたいスキルについてご紹介します。
営業職や企画職など、実際にクライアントとコンタクトを取りながら仕事を進めていく職種では、クライアントのヒアリングに関わるコミュニケーションはもちろん、専門性の高い職種に企画などを説明する表現力などがスキルとして必要とされます。
また、デザイナーや制作職などは、デザインに関わる経験や制作過程における知識などが必要とされます。
このように、必要とされる資格やスキルは職種によって異なるため、自分自身と合っている職種を見定めて吟味していくことが必要となります。
次に、ディスプレイ業界全体の市場の現状と、今後の動向についてご紹介します
ディスプレイ業界の現状と今後の動向
ディスプレイ業界には、大手企業から下請けを行う中小企業までさまざまな規模の企業があり、また取り扱う分野が商業施設や店舗など企業によって違います。
その中でも現状として商業施設を専門としているディスプレイ市場の需要が高まっていると言われています。空間デザインを通じて多くの人に向けた販売促進ができるというディスプレイ業界の強みであることに加え、インバウンド需要もその背景です。
そして、ディスプレイ業界では、東京オリンピック・パラリンピック関連の文化施設の空間デザインを手掛けた事例や、働き方改革を踏まえた新たなオフィスづくりの実績も増えてきています。
業界の特徴として、社会動向が反映されやすいことが挙げられるため、その時代ごとに求められるデザインの質も変化していきます。
また、今後の動向として、デジタルテクノロジーへの適合を強化していくことが挙げられます。現在、さまざまな技術の進展が見られますが、それらを空間デザインに反映させていくことが、今後さらに望まれると考えられています。そのため、単にデザインだけではなく、特にデジタル業界の動向は注目しておくと良いでしょう。
さらに、今後は海外展開に加え、地方創生における伝統文化の継承や発信をするための手段として、空間プロデュースのニーズは高まっていくと考えられます。
まとめ
今回は、様々な空間を彩るディスプレイ業界についてご紹介しました。
人と密接に関わる空間のデザインを行うことで、「人の心を動かすこと」にアプローチできる数少ない仕事だと言えます。そのため、単なる空間のデザインではなく、社会動向を反映させた新しい空間を創り出すような、社会的意義が大きい業界だと言えます。
そんな幅広い分野の空間設計を担うディスプレイ業界には、様々な職種があり、仕事内容や必要なスキルまでそれぞれ異なります。
ぜひ、それぞれの職種研究をしっかりと行い、自分に合った進路を決めてみてください!
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