鉄道会社の建築技術職って何をしているの?

2021年12月29日 更新

皆さんは、鉄道会社において「建築」の部門があることをご存知でしょうか?

普段、多くの方が鉄道を利用していると思います。
鉄道を運営する鉄道会社には、電車や線路の整備や、駅員、車掌などの仕事だけでなく、建築や土木関係の仕事も多くあります。

鉄道会社の建築・土木などの技術関係の業務は、大きく分けると3つの部門に分かれています。
まず1つ目が、駅舎に関する業務を行う建築系の部門です。
新駅の設置を推進する業務も行いますが、多くは駅のリニューアル工事や補修に関する業務を行います。
2つ目は、線路を渡すためのトンネルや橋の建設に関わる業務を行う土木系の部門です。
そして3つ目は、駅と一体になっている商業施設などを含めた、駅周辺の開発事業を行う部門です。

今回は、そのなかでも駅舎に関する業務を行う建築職についてご紹介していきます。

鉄道会社の建築職の仕事内容

鉄道会社の建築職では駅舎に関する業務を行っていますが、具体的にはどのような仕事をしているのでしょうか。

駅舎のリニューアル

駅は、多くの電車が止まる場所でもあり、人が街に出ていくための玄関でもあります。
そんな駅を利用する人々の安全のためにも、駅舎のメンテナンスは重要な意味を持ちます。
また、駅舎を有効に運用するために、長期的な視点で見ると駅舎のリニューアルの企画・計画も重要な業務の一つです。

駅周辺の環境によって、駅舎に求められることは異なります。
利用者や社会からのニーズがどのようなものなのか調査し、それに応えられるものを企画・計画することが、その街の活気にもつながります。

駅舎内各部の改良

他にも、最近はよく目にするようになった、線路への転落防止のためのホームドアやホーム柵の新設なども行います。
バリアフリーにするためにエレベーターを設置したり、電車の待ち時間を快適に過ごしてもらうための待合室を新設したり、トイレのリニューアルなども行います。
これらの業務では、既存の歩行動線や駅の利便性を下げることなく、さまざまな施設を更新することが求められます。

利用者の皆さんに気持ちよく過ごしていただけるように、駅舎のさまざまな部分を改良していくことも重要な業務の一つです。

新駅の設置

最近では「高輪ゲートウェイ駅」が開業しましたが、近年は新しく駅を設置することは少ないため、この駅のようにメディアにも多く取り上げられ注目を浴びます。さらにこれから多くの人々に利用される駅舎のため、最先端の技術や、環境に目を向けた仕組みなどを取り入れることが多くあります。

実際に高輪ゲートウェイ駅では、建築面では太陽光パネルや小型風力発電機を用い、近年注目を浴びている再生可能エネルギーの導入などを行っています。

根底の考え方はリニューアル工事の際と変わらず、利用者や社会からのニーズに応えられるものをつくりあげる、ということを念頭に置きながら取り組みます。
その駅のある街が魅力的に見えるよう、さまざまな工夫が盛り込まれています。

やりがい

鉄道会社の建築職として働くうえでのやりがいは、駅舎という、数多くの人々が利用する建築物に関する仕事だからこそ、利用者の声が届きやすく、利用している姿を自分の目で見ることができるので、それがモチベーションに繋がりやすいでしょう。

また、自分の担当した駅舎がよりよいまちづくりに貢献できていると、それだけで嬉しく感じられるのではないでしょうか。
そして、他の建築物でも同じことが言えますが、さまざまな企業や人々と関わってつくりあげていくため、完成すると、「みんなで」やり遂げたという達成感も味わえるでしょう。

鉄道会社の建築職におすすめの資格

鉄道会社の建築職に就職するうえで必須な資格はありません。
ここでは、就職後の取得におすすめの資格をご紹介していきます。

基本的には、建築物を建てるうえで必要な資格を目指すことをおすすめします。

建築士

まずは建築物の設計や工事管理などを主な業務とする建築士です。
建築士の資格には一級と二級があり、これらは取り扱うことのできる建築物の規模が異なります。

駅舎という大規模な建築物を扱う鉄道会社の建築職としては、一級建築士の資格があると自分のキャリアアップにつながりやすいでしょう。

建築施工管理技士

建築施工管理技士とは、建設現場に必ず置かなければならない、現場の責任者として認められている資格のことです。

建設現場に携わるうえでこの資格を持っていると、周りからの信頼も得ることができ、正しい知識を持っているという証明にもなるので、現場で働くうえで目指すとよい資格のひとつでもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、鉄道会社の建築職についてご紹介しました。

駅舎は、電車にとっては通過点にすぎませんが、人々にとっては、電車を乗り降りし、街へ繰り出すための玄関の役割も担っています。
そんな、自分にとっても身近に感じられ、街の活性化にもつながる駅舎に携われる仕事は、やりがいを感じやすいのではないでしょうか。

企業によって、建築職が行う業務の範囲は異なります。
鉄道会社の建築職に興味を持たれた方は、まずは自分で企業を調べてみることから始めてみるといいでしょう。

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