公務員志望者は必読!国家公務員(土木技術職)になるために
国家公務員は、事務系の仕事がメインに思われるかもしれませんが、実は土木系の職員として土木業務にも携わることができます。
一口に国家公務員の土木業務といっても、各官庁にて仕事内容が異なる特徴があります。そこで今回は建築や土木、都市を管轄する「国土交通省」を中心にご紹介します。
理解を深めて進路選択の1つとして参考にしてみてください。
この記事の目次
国家公務員について
国家公務員の職種は、主に「一般職」と「総合職」の2種類に分かれます。
今回は国土交通省を例にとり、それらの違いや業務内容についてご紹介します。
総合職に関する情報
業務内容
国家公務員の総合職は世の中にある課題や問題の解決を目指し、政策の立案や制度、ルールといった体制・仕組みを作る役割をになっています。
そのなかで、土木分野の職員は土木に関する知識を中心にして、政策の立案から事業の現場に至るまでの幅広い業務を担当します。
勤務地
大きく分けて3種類あります。
1.霞ヶ関にある本庁(官庁)
2.都道府県別にある地方整備局(出先機関)
3.そのほか地方公共団体や省庁、世界各国にある在外公館
勤務地は日本が中心ですが、海外で働くチャンスもある職種です。
一般職に関する情報
業務内容
一般職は、総合職をサポートする位置づけで、立案された政策や制度などを実行する役割を持っています。業務内容は、事務的なものから土木などの専門的知識を必要とする業務を行います。詳しくは下記の項目で紹介いたします。
勤務地
一般職の勤務地は、総合職と同じように霞ヶ関にある本庁や各都道府県に配置されている地方整備局などが挙げられます。
しかし総合職よりも地方整備局の勤務の割合が高い傾向があります。そのためエリアを絞って政策などを実行して行く仕事が多いです。
国家公務員の土木業務
冒頭で説明したように国家公務員は土木業務も担います。各機関によって職務内容が変わりますが、今回は「国土交通省」に絞って紹介をします。
国土交通省(本庁)の仕事内容
主な仕事内容は、私たち国民が安心して過ごせるように、河川や道路を中心とした公共インフラを整備します。そのほかにも、まちづくりの推進を手助けする役割を担います。
河川業務
1.防災機能を高める取り組み
川の氾濫や洪水被害を最小限にするために、堤防やダムなどの治水施設を整備します。もしも災害が起きた際には、避難勧告の発令や水防活動を行います。
2.河川環境を整える
防災だけではなく、治水、利水、環境のバランスを見ながら、堤防などの河川環境の整備を行います。そのなかで、地方公共団体や地域住民と連携して、人々が訪れたくなるような水辺空間の創出といった地域活性につながる業務も行います。
3.国際機関への情報提供
防災性の課題が多いとされているアジアの国々を中心に、日本の抱える防災に関する取り組みのノウハウを提供します。
道路業務
1.防災機能を高める取り組み
道路にある電柱を地下に埋めることで「無電柱化」を実現し、災害時の被害につながる電柱の倒壊を防ぎます。また、無電柱化にすることで、街の外観を整える役割も発揮します。
2.被災地の復興活動
2011年に起きた東日本大震災や、昨年生じた台風第15号および19号などの被害により、機能できなくなった道路を整備します。
3.老朽化への対策
老朽化した道路そのものであったり、道路に架かる橋梁を対象にした修繕作業を行います。東京都の日本橋にある首都高速道路を例にすると、現在にような地上から、地下に移す計画が行われています。
都市・まちづくり業務
グローバル化や少子高齢化による社会構造の変化に対応するために、生産性向上につながるAIやIoTを取り入れる「スマートシティ」や、街の施設を1箇所に集中し利便性を高める「コンパクトシティ」の実現させる企画立案をします。
そのほかの業務
対象の公共インフラは上記以外にも、下水道や湾港、空港、鉄道、砂防などが含まれます。
まとめると国土交通省の仕事内容は、日本国民の生活における利便性と快適さを向上させるために欠かせない公共インフラの整備や、災害時における救命活動にも貢献します。
国土交通省 「技術系業務紹介 2020年版」
地方整備局の仕事内容
地方整備局は関東や東北、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の全8地方に配置されている機関です。業務内容は土木業務を中心として、地域でのまちづくりの根幹を担う重要な役割を担います。
具体的には国土交通省と同じく河川や道路、下水道、湾港、空港、鉄道、砂防などの整備及び維持管理を中心に業務を担います。そのほか建設業や不動産業の許認可に関する業務も範囲内です。
国家公務員になるためには
国家公務員と名乗るためには、「人事院」が主催する「国家公務員採用試験」を合格する必要があります。合格後は「官庁訪問」をして、各機関から合格とみなされると内定が頂けます。
こちらでは、「国家公務員採用総合職試験」および「国家公務員採用一般職試験」と「官庁訪問」に関する出題内容などを紹介します。
※今回は2020年度の試験を例にします。
国家公務員採用総合職試験
総合職の採用試験の特徴は、出題される問題の難易度が高いことです。
理由としては総合職の業務内容が、政策の企画や立案であることから高度な知識や技術が必要とされるからです。
試験内容
1次試験
基礎能力試験(180分、知能分野は27題で、知識分野は13題の計40題)
専門試験(210分/40題)
※1次試験は選択式です。
2次試験
・政策論文試験(120分/1題)
・専門試験(210分/2題)
※2次試験は記述式です。
人物試験
※公務員試験において、面接試験のことを人物試験と呼びます。
資格条件
1.1990年4月2日から1999年4月1日生まれの人
2.1999年4月2日以降の生まれの場合は、大学卒業見込みが2021年3月までの人
上記2点のみです。年齢制限以外での条件はありません。
国家公務員採用一般職試験
基礎能力試験については、中学・高校で学習した数学や社会経済の知識程度のレベルですが、特に一般知能のウェートが高く全問題数の約7割をそのため、最初は一般知能対策を優先に取り組む必要があります。
試験内容
1次試験
基礎能力試験(140分、知能分野は27題で、知識分野は13題の計40題)
専門試験(180分/40題)
※1次試験は選択式です。
2次試験(120分/1題)
人物試験
試験日
第1次試験は6月14日で、第2次試験が7月15日~8月3日の予定をしていましたが、コロナウイルスの影響により第1次試験を8月9日に、第2次試験を9月に行うことになりました。
資格条件
1.1990年4月2日から1999年4月1日生まれの人
2.1999年4月2日以降の生まれの場合は、大学卒業見込みが2021年3月までの人
総合職と同様です。
官庁訪問
上記の「国家公務員採用一般職試験」を合格した後は官庁訪問をします。
官庁訪問は志望する官庁を訪問すると同時に採用の面接をします。
※面接の回数や質問の内容は官庁によって異なるので、注意しましょう。
また「国家公務員採用一般職試験」に関する詳しい情報は、下記を参考にしてください。
人事院国家公務員試験 採用情報NAVI「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)」
まとめ
いかがでしたでしょうか?
国家公務員の土木職は、官庁によって異なると同時に、専門的な知識が現場にて求められます。しっかりと志望する官庁を定めたうえで、どのような土木の知識があればいいのか予め確認をしましょう。
それだけでなく採用試験についても、官庁によって異なるので出題問題の傾向や面接で問われやすい内容もしっかりと事前に把握していく必要があります。
最後に国家公務員としても土木職として、働けることを視野に入れて就職活動を励んでください。
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