意匠設計職を志している方必見!代表的な3つの就職先とは?

2023年9月4日 更新

「意匠設計」という言葉は、建築を学んでいると頻繁に耳にすると思います。

意匠設計とは、施主から聞いた要望をもとに建築物のデザインコンセプトや間取りなどを決め、図面などに落とし込むことです。
意匠設計において大切なことは、施主からの要望が組み込まれていること、建築基準法に適合していること、そして予算内におさまっていることの3つです。

学校でも意匠設計の課題は多いため、仕事としてもやっていきたいと感じている人も多いと思います。
今回は、そんな学生さんにぜひ知ってほしい、代表的な意匠設計職の3つ就職先とそれらの特徴や違いついて、ご紹介していきます。

主な就職先とその特徴

意匠設計職を希望する人はどんなところに就職しているのでしょうか?
代表的なのは、「アトリエ系設計事務所」、「組織設計事務所」、「ゼネコン」の3つです。

それぞれの特徴をご紹介していきます。

アトリエ系設計事務所

アトリエ系設計事務所は個人の建築家が主宰していて、その人の作家性が強く反映されている設計を行っています。
アトリエ系設計事務所は主に注文住宅を設計していますが、有名もしくは中〜大規模なアトリエ系事務所ではビルやマンション、ホテル、美術館などの規模の大きな建築物の意匠設計を行うこともあります。

多くのアトリエ設計事務所では注文住宅の設計が多いため、その注文住宅をいかに受注するかが経営において大きな鍵になります。そこでの武器が「デザイン力」です。
法規に沿った建築物を建てるという点では他の設計事務所と差別化することはあまりできないので、
施主の要望を詰め込み、施主好みのデザインにする、というのが受注を勝ち取るために必要なことになります。

こういった働き方にとても魅力を感じるという方もいると思います。
ただ、気を付けてほしいこともあります。それは、賃金です。
昔よりはだいぶ改善されているようですが、建築業界の他の企業と比べると、その差はまだ大きいと言えるでしょう。

基本的には、注文にしろコンペティションにしろ、仕事を受注するまでに準備が必要になり、受注が確約されていることも少ないため、事務所によっては仕事量と報酬が釣り合わないケースがあります。

組織設計事務所

明確な定義はありませんが、100~1000人ほどの比較的規模の大きい設計事務所を組織設計事務所と呼びます。

ただ規模が違うだけではありません。
取り扱っている建築物の規模も組織設計事務所の方が比較的大きいです。
設計事例として、東京タワーやスカイツリー、オフィスビルや商業施設が挙げられます。

組織設計事務所での設計業務において重要なことは、コストもある程度抑えて、シンプルだが洗練されたデザインを行うことでしょう。
注文住宅とは違い多くの人々が利用する建築物の設計なので、一人の心に強く刺さるデザインではなく、万人受けする洗練されたデザインが求められる傾向にあります。

さらに建築物の規模が大きいと、メンテナンスにも手間がかかります。
魅力的なデザインであったとしても、そのメンテナンスが大変になったり利用者にとって使いにくいものになってしまうと、長期的に安定して稼働できるかどうか不安になってしまいます。
そうしたところまで配慮しながら意匠設計を行っていくのが組織設計事務所です。

ゼネコンの設計職

ゼネコンの一番の強みは、設計から施工までを一貫して行っていることです。そのため、意匠的な観点だけではなく、施工性やコストなどとの調整が重要になります。
そのため設計をしながら構造や設備の担当者との打ち合わせを頻繁に行いながら、業務を進めていきます。基本的には施工も同じ会社が担当するので、施工現場の監理を行うこともあり、施工時に何か問題が起きてもすぐに確認し話し合うことができます。

そしてゼネコンの中には設計・施工・開発の部署の他にも、技術センターのように最先端の研究を行っている部署もあるので、自分の視野を広げるのにも適していると言えます。

設計を生業としている組織設計事務所と比べると、洗練された設計技術という面では劣る部分があるかもしれません。

それぞれの違い

ここまで「アトリエ系設計事務所」「組織設計事務所」「ゼネコンの設計職」について紹介してきました。
それぞれの違いをまとめていきます。

個人のデザイン力が重視されているのがアトリエ系設計事務所です。
主宰する建築家のもとで自分の力を磨き、いずれは独立していきたいという方におすすめです。

規模の大きい建物の設計で、デザインにもこだわって設計できるのが組織設計事務所です。
デザイン力も磨いていきたいけど、安定した収入もほしいという方におすすめです。

アトリエ系や組織設計事務所ほどのデザイン力は求められないものの、施工まで一貫して行うからこそ緻密な設計が求められるのがゼネコンの設計職です。

就活における学部卒と院卒での違い

ここまでの仕事内容についての話で、自分はこういうところで働きたいとイメージを持った方もいると思いますが、就活をする際に気を付けなければならない点があります。

それは、募集条件です。

ホームページや就活サイトなどを見てみると学部卒でも院卒でも募集している企業もありますが、
実際のところ、組織設計事務所やゼネコンの設計職での採用実績は院卒の学生がほとんどです。企業によっては、研究室からの推薦の枠を設けている場合もあるため、学部生に対して門戸は狭い職種と言えるでしょう。

また、院卒の学生には、数か月かけてつくりあげた卒業制作という実績があり、それに学部卒で勝つのは至難の技とも言えます。
意匠設計職を目指すのであれば、大学院に進み意匠設計を専門としている研究室に入ることが堅実な方法だと言えるでしょう。

しかし、学部卒の方でもコンペの受賞歴などの実績がある場合は、設計のスキルが高いとみなされ、採用されることもありますので、学部生でも積極的にチャレンジしてみましょう。

アトリエ系設計事務所では「人数が足りなくなったら」、募集されることもあります。
ホームページや事務所を主宰している建築家などのSNSなども頻繁にチェックしましょう。

また、大学のOBOGや教授の紹介でしか就職できないような企業もあるので、気になる設計事務所があり、そこに務めている人とのツテがある場合は、早めにアプローチするとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここでは意匠設計職のなかでのおおまかな違いについてご紹介してきましたが、
アトリエ系設計事務所、組織設計事務所、ゼネコンの中でも、各企業ごとにさまざまな特徴があります。
企業訪問やインターンシップなどで実際にその企業の社員と話してみると、企業に対する理解が深まるでしょう。

この記事をきっかけに、自分に合った企業を探してみてはいかがでしょうか。

スカウトで就活を有利に進めよう

ここまで意匠設計職の3つ就職先について詳しくお話ししてきましたが、意匠設計職を募集している企業を探すことや、企業の選考対策をご自身で行なっていくハードルは高いです。

コンキャリでは建築土木に特化したアドバイザーが多数おりますが、そのなかでも意匠設計の職種に詳しい専門のアドバイザーが在籍しており、
意匠設計の職種を募集している企業探しや、意匠設計の職種の選考対策をどのように行なっていけばいいかなど、専門的な手厚いサポートを行なっております。

また、コンキャリに登録すると意匠設計の職種を有する企業や、建築土木業界の企業を中心に平均5社以上のスカウトを受けることができます。
ただ5社のスカウトを受けるわけではなく、各専攻の方の状況、志望領域に合わせた5社のスカウトを受け取ることができるため、就活をかなり有利に進めることができます。

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