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コロナ、AIでどう変わる?現状・課題を知り、建築設計事務所業界の理解を深めよう!

2021年6月5日 更新

建設工程の中でも建物の基本を支える設計事務所の仕事は、デザイナーのような仕事をイメージする人が多く、人気の高い仕事です。

しかし、建築設計業界にも労働環境などに課題があります。
また、近年はAIなどの技術の進歩によって、今後の設計事務所の仕事内容も変化する可能性があります。

そして建築土木の他の業界と同じように、設計事務所も新型コロナウイルスの影響を受けており、業界としても時代に合わせて変化が必要な状況です。

今回は建築設計事務所業界の現状や、コロナの影響などを踏まえ、今後業界はどのように変わっていくのか、そして建築設計事務所業界を目指す学生はどのようなことを意識し、就活に臨むべきかという点を紹介していきたいと思います。

建築設計事務所業界とは

建築設計事務所業界を深掘りしていく前に、建築設計事務所業界の仕事内容や選考対策について知りたい方は、以下の記事でご紹介していますのでご覧ください。

建設の根本を支える「設計事務所」業界を解説!
組織設計事務所に就職するには?ESから最終面接まで選考フローをご紹介
意匠設計事務所に就職するには?企業研究の仕方からアプローチの仕方まで解説

建築設計事務所業界の現状と課題

まずは建築設計事務所業界全体としての近年の現状を紹介します。

近年は2020年の東京オリンピックに向け建築需要が高まっていましたが、五輪需要が収まる2019年をピークに縮小に転じると予想され、五輪需要後に新たな分野・領域を開拓できるかが課題でした。
また一級建築士の数は減り、高齢化も進んでいますが、建築士が扱う業務は多様化しています。

これらの現状や課題はゼネコンなどの建設業界全体が抱える現状、課題と同じであるため、建設業界全体で解決していく課題と言えるでしょう。

では、建築設計事務所業界独自の現状、課題はどのようになっているのでしょうか。
今回は特に影響の大きい、労働環境、AIなどの技術、そしてコロナの影響の3点を紹介したいと思います。

建築設計事務所業界の労働環境

建築設計業界は、単年度発注が多く、年度末に締め切りが集中する、発注先からの期限は守らなくてはならない、といった業務の性質上、残業や休日出勤を抑制するのが難しいという特色があります。

そのため休日出勤や残業が多く、仕事と両立して、プライベートや育児を充実させることが難しいため、このような労働環境が若者や女性を遠ざけている大きな原因になっています。

大手設計事務所をはじめとして、働き方の改善に取り組んではいますが、労働環境の改善は今後に向けての課題となるでしょう。

AIなどの技術の進歩

近年AIなどの技術の進歩により、将来的に建築設計の仕事はなくなってしまうのではないかという問題が出てきています。

本章では、建築設計事務所業界の現状、課題の1つとしてAI技術をピックアップし、現在、そして将来的にAIがどのようなことができるのかを紹介しながら、人間の仕事がAIに取って代わられるのか、という点を考察していきます。

AIができる建築設計の仕事とは

AIの強みの1つがビックデータです。

人間の場合、設計は設計者自身の過去の経験などのインプットから生み出されます。

対してAIは人間と比べはるかに早く、大量のデータをインプットできるため収集能力や学習能力という点においては人間より優れています。

建築を設計するまでには、土地情報を入手してから、法的規制を確認し、コンセプト設計、実施設計という流れが一般的ですが、すでにそれらの大半をAIが代替できる技術水準に達しています。また、通風や音環境のモデル上での最適解も、ビッグデータを用いて算出することが可能です。

人間の設計者ができることは

では人間がAIより優れている点はあるのでしょうか。

それは一人一人に対して、最適なデザインを提案することや唯一無二のデザインを創り上げることです。
例として、「過ごしやすい部屋」をイメージするとき、人によって過ごしやすさの定義や基準が異なるため、明確な正解はありません。また、その建築にどのような意味を持たせ、コンセプトを設計するのかという点において、人間の設計者は必要不可欠です。

このような個人差によって生まれる感情や、建築への意味づけは現在のAI技術では捉えきれないものです。

上記2点をまとめると

・大衆に合ったデザイン・量産型の設計→AI
・個人に合ったデザイン・唯一無二の設計→人間

と設計において、得意領域が分かれています。

そのため今後建築設計を目指す人は、「個人個人が求めている物に対し、最適な提案」ができることを求められます。あくまでも、ツールとしてAIを使うというスタンスが重要でしょう。

建築設計事務所業界が受けたコロナの影響

新型コロナウイルスは建築業界にも大きな影響を与えていますが、その中でも建築設計事務所業界はどのような影響を受けたのでしょうか。

緊急事態宣言の発令以降、工事の一時中止を表明し、発注者と協議に入るゼネコンが相次いだため、現場が閉所された場合、設計事務所各社も施工監理や完成検査といった受託業務で影響を受ける結果となりました。

また働き方にも変化が起きています。

工事監理や完成検査など現場に赴く必要がある仕事もありますが、設計図の作製や施工図チェックなど、可能な限り在宅勤務にシフトするようになり、従来働き方改革の一環で取り組んできたICT活用の施策を各社が積極展開しています。

しかし、在宅勤務によってコミュニケーションが低下し、仕事上のトラブルを招く恐れや、通信環境を整備に多額のコストがかかる点など、コロナに合わせた働き方には課題も現状存在します。

建築設計事務所業界の今後は?

ではAIやコロナ、そして働き方の改善が進む中で建築設計事務所業界の今後はどうなっていくと予想されているのかをご紹介します。

コロナに合わせた建築設計

1つ目は、コロナの影響によって、今後私たちの社会は感染症への備えが求められる社会へと移行していくと考えられています。

その中で建築の設計も、コロナ禍でのライフスタイルを踏まえたデザインや、感染症を意識した環境設計がトレンドになると考えられます。

例としては、在宅勤務は今後どの業界においても普及していき、働き方の新たなスタンダートとなった場合、今までは自宅として使っていた空間が、仕事部屋や会議室として使用されるかもしれません。
そのような場合、今まで単一的な機能だった空間に多機能な利用方法を前提としたデザインが必要になります。

また空調では、今までとは違ったワン・ウェイ換気による換気方法や、自然や生態系を建築環境に取り込む“バイオフィリックデザイン”など感染対策と親和性が高いデザインを取り入れる建築物が増加する可能性があります。

仕事の多様化

2つ目は仕事の多様化です。

現在建築設計事務所は、意匠、構造、設備、土木設計士の採用だけでなく、事業全体のマネジメント、都市開発・都市計画、ランドスケープ設計など従来型請負以外の事業分野の拡大にも注力しています。

今後もコロナなど経済全体が影響を受けるようなことが起こっても、安定的に企業を経営していくためにも、建築設計以外のビジネスにも企業として取り組んでいく形を各企業が模索しています。

そのため企業が今後どのような方針をとるのかは、随時チェックするようにしましょう。

就活生が意識するべきこと

ここまで建築設計事務所の現状や、これからについて紹介してきましたが、建築設計事務所業界に興味がある場合は、どのような視点を持って就活に取り組めばよいのでしょうか。

自分で学ぶ姿勢をアピールする

前章で紹介したように、今後の建築設計事務所の働き方として、在宅勤務を取り入れる企業が増えていくことが予想されます。

在宅勤務のデメリットとして、コミュニケーションが取りにくく、直接指導する機会が減少するため、若い設計者への指導が難しくなるという点があります。そのため、会社の育成や研修だけでなく、自身で積極的にスキルアップを狙いにいく姿勢をアピールすることで、採用側に安心感を与えることができるでしょう。

日頃から人々の暮らしの変化と将来像を考える

コロナで人々の生活が一変するなかで、建築のあり方も多様化・変化しています。AIやICT技術と建築との関わりも強まってきており、建築の役割や機能も多様化してきています。

実際に、コロナ禍を契機に、非接触、コミュニケーションの取り方の変化、働き方の変化、住宅のあり方の再考など、さまざまなキーワードが挙げられます。

設計事務所に限った話ではありませんが、こうした変化が起こることはつまり、クライアントからの要望も多様化するということであり、それに対応できる人材を、設計事務所は欲しています。

日頃から、さまざまなことにアンテナを張り、建築との関係性を意識しておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

デザインの本質は、問題を解決することや希望をかなえることであり、クライアントが抱えている問題や希望を、設計を通じて解決・実現することが設計事務所の役割です。そのため人々のニーズが変化したとしても、建築設計が解決するべき問題は常に存在します。

学生の皆さんは、今後の社会情勢次第では仕事内容や働き方が変化することを考慮しながら、建築設計という働き方の未来を考えてみましょう。

業界の未来に対して、自分の考えを持つことは大事になり、自分の考えと近いビジョンを持っている企業の選考を受けることも企業選びの1つの方法になります。

建築設計事務所を志望する場合は、新卒で入社するという気持ちよりも、即戦力となりいかに早く企業に貢献するために、自分が何ができるのかをアピールする姿勢で選考に臨むようにしましょう!

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