建築と土木の就活に垣根はあるか?建築土木業界での分野をまたいだ就活の考え方を解説します

2022年11月6日 更新

就活をする際に、自分の大学や大学院での専門分野ではない業界の選考を受ける学生は意外と多いです。

建築、土木の分野においても、専門は建築だが土木に興味がある、土木を学んでいるが建築関係の仕事に就きたいと考えている方や、学生生活の中で違う分野に興味を持った方などもいると思いますが、普段は「建築、土木」と一括りにされることが多いこの業界で、建築、土木間での専門分野を跨ぐ就活は可能なのでしょうか?

今回は、建築、土木間での横断的な就活について、
1.具体的に各業界ごとに、横断的な就活が可能か
2.横断的な就活をする際の考え方とは
といった点を中心に、建築と土木間での就活の実態について紹介していきます。

建築、土木間での横断的な就活は可能なのか

まずは建築、土木間での専門分野と違う横断的な就活が可能であるのかについて紹介します。

結論から言うと、「土木間での横断的な就活は基本的には可能」です。
しかし、全ての業界、職種に当てはまるわけではありません。

特に、職種レベルでみると注意が必要な場合が多く、横断的な就活を考えている場合は、以下の3点が横断的な就活が可能か不可能かを判断する基準になります。

要求される職能のレベルが高い職種かどうか

職能とは職種に帰属する専門的なスキルや技術を指します。
職能に対する要求のレベルが高い職種への就職は、学生時代の専門分野が異なる場合は難しいと考えておきましょう。
その際たる例が設計職です。これは建築も土木も同様です。

理由としてはこれらの職種は就職するにあたって、専門性の高い職種に関しては素養が必要とされる場合が多いからです。

例えば就活の選考の際にポートフォリオが求められる場合、今までに設計の作品を作ったことがない場合はポートフォリオを出すことができず、選考に応募できません。

このように、選考の段階で自分の作品や実績をアピールしなければならない職種に関しては、異なる専門分野から就活を進めることは難しいと言えます。

入社後にそのキャリアパスを描けるかどうか

2点目は、例え志望する職種が含まれる業界への就職が可能だとしても、希望する職種に就職できるかは分からない場合が多いということです。

例としては、ハウスメーカーに就職したい土木学生の場合、設計職としての採用は難しけれど、営業職としての採用は可能な場合があります。
そのため最初は営業職で入社した後、建築士の取得ができれば、設計職への異動が可能な場合も考えられます。

上記の例のように、入社してすぐには自分が希望する職種に就くことはできなくても、その後キャリアアップの過程や資格を取得することによって、異動が可能になる場合もあるため、長期的な視点で考えたときに、自分の希望する職種にまつわる職能を身に付けられるかどうか、またそのキャリアパスを描けるかどうかを調べることが重要です。

希望職種にまつわる資格の受験が可能か

3つ目のポイントとして挙げられるのが、職種にまつわる資格の取得が可能かどうかです。

上記で紹介した、キャリアパスに加え、その職種にまつわる資格の受験が可能かによって、就活の難しさは変わります。
建築土木業界は、仕事と資格の関係が密接です。どんなに知識や素養があっても資格を持っていなければ仕事をすることができません。つまり、資格がいつ取得できるのかを逆算することもキャリアを描くうえではとても重要なことなのです。

希望する職種に必須な資格がある場合は、入社後すぐに受験資格を得られるかどうかや、資格取得の難易度についてはあらかじめ調べるようにしましょう。

横断的な就活を進めるときに意識するべきこととは

ではここからは、横断的な就活就活をする場合にやるべきこと大きく2つに分けて紹介します。

①情報収集・確認をする

上記でご紹介したように、横断的な就活が可能かどうかは、企業ごと、職種ごとに異なります。
そのために上記で紹介した判断基準を基に情報収集と確認するが重要です。
調べ方としては以下に紹介する方法がおすすめです。

人事に相談する

横断的な就活が可能か、可能だとすればどういう選考になるのかを調べる方法として1番確実な情報を得られる方法が人事への相談と確認です。

就活のフェーズにもよりますが、企業説明会の際に人事に相談すると良い内容は
– 御社では横断的な就活が可能であるか
– 可能である場合どのような選考になるか
– 選考に向けて今から準備しておくべきことはあるか
– 過去に異なる専門分野の学生を採用した事例はあるか
です。

これらの点を抑えることで、安心して就活に備えられるでしょう。

同じような就活をした先輩と繋がる

2つ目としては、過去に似たような就活をした先輩と繋がる方法です。

こちらは必ずしも先輩と連絡を取り、アドバイスをもらう必要はありませんが、違う分野から就職活動で、未経験から始めたことで苦労した部分や、学生時代にやっておいた方がいいこと、就活でのアドバイスなどを聞ける可能性があります。

このときに自分と同じ分野から就職した先輩を探す必要はなく、未経験からスタートした先輩や、専門分野は異なるが、横断的な就活をした先輩のアドバイスも充分に参考になるでしょう。

こちらも企業説明会などで、紹介してもらえるか、また個別に話を聞く時間を設けてもらえるか聞いてみましょう。

②考える・分析する

横断的な就活を進める場合には、志望動機や専門分野をまたぐ就活をしようと思った理由が大事になります。
そのため、実際に横断的な就活をする場合には以下の点は重点的に考えるようにしましょう。

その業界・職種に興味を持った理由を明確にする

横断的な就活をする際に理由の部分で1番大事になるのは、なぜ興味を持ったのか、なぜ今の専門ではない分野での就活をしようと思ったのかという理由です。

この理由が「今の専門分野に飽きた」「面白みを感じない」といったネガティブな理由のみでは、選考時に企業側を納得させられず、熱意も伝わりません。

横断的な就活をしようと思った理由には確実に聞かれるはずなので、質問をされた際に面接官を納得させることができる理由を考えましょう。

また、建築、土木間での専門分野と違う横断的な就活を行う場合、学生時代に専門的な分野を学んでいた学生と比べたときに、知識や経験ので遅れをとる部分が多くなり、就職後に辛い思いや大変な経験をする可能性が大きくなります。

就職を目指す理由が興味ベースではないことを示すためにも、自分の就職後の成長プランや、5年後10年後を見据えたキャリアパスを考え、実現可能かを考えてみましょう。
そのうえで言語化し、面接に臨みましょう。

今後のキャリアプランを考える

上記の説明でもあるように、専門以外の分野への就職を行う場合、最初から自分の希望通りの職種に就けるとは限りません。

そのため、企業に入社した場合、どのようなキャリアパスを歩んでいきたいかは最初の段階で決めておくとよいでしょう。これは仮定でも構いません。

キャリアプランがあることは、高いモチベーションがあって入社することであるアピールポイントの1つにもなります。
しかし、最初は自分が行いたい仕事とは違う分野の仕事を任される可能性も高いため、違う職種からスタートしても続ける覚悟も必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
建築、土木間で専門分野を跨いだ横断的な就活は、漠然と建築と土木業界の垣根はないため、基本的には可能です。
しかし、職種レベルで考えたときには、求められるスキル、職能と資格の観点から、情報収集が必要となります。

また、企業によって選考のフローやキャリアパスは異なるため、調べてわからなければ、人事に相談し、疑問や不安を解消した状態で就活に臨むようにしましょう。

専門以外の分野への就活は、通常の就活よりも難しい場合が多く、入社後もスキルや経験の面で苦労する場面もあるでしょう。
しかし、本当にやりたいと思うのであれば、長期的な視点で、「その仕事をするために必要なスキルをどう身につけるか」を意識して就活を進めましょう。

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