建設工事の現場で活躍する「施工管理職」にまつわる業界をご紹介

2024年9月19日 更新

建設業界において重要な役割を担っている「施工管理職」は、建築土木を学んでいる就活生に人気の職業のひとつです。ですが、施工管理職の具体的な仕事内容や、似た職業との違いなど、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

今回は、そんな施工管理職について、どんな仕事の概要や採用している業界をご紹介します。建築土木の業界で工事の管理などに興味がある方は、ぜひ参考にして理解を深めてみてくださいね。

施工管理職とは?

主な仕事内容

施工管理職とは、工事現場の管理はもちろん、予算や手続きなどの工事全体に関する仕事を担う職種のことを指します。工事現場の管理が中心の現場監督とは違い、管理する範囲が広いため、責任が大きい職業であるとも言えます。

施工管理職は、基本的に現場と事務所を行き来することが多く、現場では職人や従業員の体調確認やその日の作業工程の確認をし、事務所では計画の見直しやその後の工程表の作成などを行います。

また、施工管理と一口に言っても、管理する部門はさまざまで、それぞれ仕事内容が異なります。今回は、その中でも主に4つの業務に関する仕事内容についてご紹介します。

施工管理職の具体的な仕事内容

工程管理

最初にご紹介するのは、「工程管理」と呼ばれる業務です。
工程管理とは、工事全体のスケジュール、日程や進め方などを管理する業務です。

工程表を作成し、その工期に遅れないように作業を管理します。また、管理する工事もさまざまであるため、柔軟性も求められる業務であるとも言えます。

原価管理

次にご紹介するのは、「原価管理」と呼ばれる業務です。
原価管理とは、工事に必要な費用や予算といったコストを管理する業務です。

現場で使われる材料の費用などはもちろん、人件費に関する費用も管理されており、もともとの予算と差異がないように進捗に合わせて原価を計算します。

安全管理

次にご紹介するのは、「安全管理」と呼ばれる業務です。
安全管理とは、その名の通り、建設現場で作業をする職人や作業員が安全に作業を行えるように、環境やルールを整える業務です。
具体的には、職人がヘルメットの着用や作業着を正しく身に付けているかの確認や、作業現場の整理整頓の徹底、作業員の体調管理などが挙げられます。

品質管理

次にご紹介するのは、「品質管理」と呼ばれる業務です。
品質管理は、設計図書の通りに工事が進んでいるか、正しい工法で行われているかを確認することを指します。

このように、施工管理職にはさまざまな業務があります。では、そんな施工管理職はどのような業界で活躍しているのでしょうか。ここからは、主な業界とその仕事内容についてご紹介していきます。

施工管理職が活躍する業界とそれぞれの仕事内容

ゼネコン業界

まず最初にご紹介するのは、ゼネコン業界です。

ゼネコンにおける施工管理職は、土木系であればトンネルやダム、橋梁の架け替えなどの主に公共工事や大規模な工事の全体を管理します。建築系であれば、大型のビルや商業施設、マンション、公共施設などの工事管理を担います。世の中の中〜大規模構造物の多くはゼネコンが建設しているため、言葉の通り「地図に残る仕事」であると言えます。

規模が大きくなると、従業員も多くなり、下請けの企業も多くなるため、全体をまとめあげるスキルが必要となります。

サブコン業界

次にご紹介するのは、サブコン業界です。

サブコンとは、専門的な技術が必要な部分の施工をゼネコンから請け負う建設会社を指します。

特に電気や空調といった設備や建物の基礎となる杭打ち工事など、ゼネコンと比較してより専門的な領域の工事を担います。

サブコンの施工管理では、元請けであるゼネコンと連携しながら、担当する領域の工事を行う職人の体調管理や工程管理を行います。

ハウスメーカー業界

次にご紹介するのは、ハウスメーカー業界です。

ハウスメーカー業界における施工管理職は、住宅の工事を主に管理します。工事に関する管理だけではなく、引き渡しまで携わることができるため、一貫して住宅の施工を管理することができます。また、主に一軒を1人で管理するため、責任が大きい分幅広い知識を得ることができたり、やりがいも大きい点が特徴であると言えます。

ハウスメーカーの施工管理の特徴は、住宅の工事の管理をする場合は、複数の案件を同時に管理する場合があるという点です。その場合は複数の現場を回るような働き方になると言えるでしょう。

リフォーム業界

次にご紹介するのは、リフォーム業界です。

リフォーム業界における施工管理職は、一から建設を行う業界とは違い、既存の建物に対する工事の管理を行います。扱う建物の種類もさまざまで、住宅はもちろん、オフィスや店、倉庫など、幅広い建設のリフォームに関する施工に携わることができます。

インフラ業界

次にご紹介するのは、インフラ業界です。

インフラ業界における施工管理職は、主に道路、鉄道、電力といった工事の管理を行います。

施工管理職を募集している代表的な業界が高速道路系の会社です。こちらの施工管理職は、高速道路にまつわる、道路やトンネル、橋梁、休憩施設などの施工や改修における工事管理を担います。(施工をゼネコンが行う場合はゼネコンの施工管理が工事管理を行います。)

インフラといっても幅が広い領域を手掛けていますが、どれも専門性が高い領域であるため、それぞれに専門的な知識が求められます。また、インフラを通して生活する人々の安全面も考慮に入れながら管理を行うため、責任が大きい業界でもあります。

プラント業界

次にご紹介するのは、プラント業界です。

プラント業界における施工管理職は、産業系、化学系、環境系といったさまざまな種類の工場(プラント)の施工管理を行います。

どの業界よりも規模が大きいため、高い専門知識が必要とされる業界です。また、先ほどご紹介したように、プラントと一口に言っても扱っている種類がさまざまであるため、自分が興味があったり、自分の知識を活かすことができるプラント企業の施工管理職を探すといいでしょう。

プラントの建設は、ゼネコンやサブコンが担う場合がありますが、プラント業界でも施工管理職を採用している企業もあるため、プラントに興味がある方はプラント業界はチェックしてみると良いでしょう。

施工管理職の魅力ややりがい

ここまで、施工管理職に関する具体的な仕事内容や業界をご紹介しました。

私たちの生活と切り離すことができない建設業界では、施工管理職は重要な役割を担っています。そういった点で、これから先も安定した需要があると言えます。

また、建設という規模の大きい業界で働くことができるため、責任はどの業界でも大きいですが、その分やりがいも大きい職種です。中には専門知識が求められる業界もあるため、自分のスキルや知識を活かしたいという方にも向いている職種と言えます。

工事現場はもちろん、幅広い領域でをこなす施工管理職は、多くの人をまとめあげる力が必要です。その分、さまざまな企業の従業員と関わることも多いため、施工を通じて多くの人と関わることができる点も、施工管理職のやりがいであると言えるでしょう。

まとめ

今回は、施工管理職の主な仕事内容、活躍できる業界や魅力についてご紹介しました。

施工管理を採用する業界の中でも、網羅的なゼネコン業界や特化しているプラント業界のように幅があるため、何の建設工事に携わりたいのかを考えることがとても重要です。

そこが明確になると、選考においても、施工管理でもなぜその会社なのかを面接官に伝えることができます。

また、私たちの生活を陰で支えてくれている施工管理職は、社会貢献にも大きく影響しており、やりがいも大きい職種です。

興味がある方も、施工管理職についてよく知らなかった方も、きちんと仕事内容や業界について整理をして、理解を深めてみてくださいね。

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