工場建設を担うプラント業界の「設計職」を徹底解説

2021年12月29日 更新

私たちの生活の根本を支えている「プラント業界」は、大型の生産設備一式や製造工場の設計やメンテナンスまで手掛けている業界のことです。しかし、一口にプラント業界と言っても、その中の職種によって仕事内容はさまざまです。

今回は、プラント業界の「設計職」についてご紹介します。一見、土木や建築とは関係ないように見えるかもしれませんが、土木・建築設計職などの職種もあるため、プラント業界に聞き馴染みが無い方も、興味がある方も、ぜひ参考にして業界や職種に関する理解を深めてみてくださいね。

そもそもプラント業界とは?

プラント業界とは、先程もご紹介したように、大型の工場の設計・建設から、完成後のメンテナンスまで手掛けている業界のことです。

企業ごとに事業ポートフォリオは異なりますが、具体的には石油、ガス、鉄鋼、化学・医療製品などの生産加工工場や、ゴミ処理場や排水施設といった公共的な事業も行っています。

そんなプラント業界の中にも設計職や営業職などといったさまざまな職種があり、それぞれに仕事内容が違います。

今回は、その中でも設計職についてご紹介します。設計に関する職業に興味がある方はぜひ参考にして、キャリアの選択肢に加えてみてくださいね。

プラント業界の設計職に注目

プラント業界の設計職は、その名の通り工場の設計を手掛ける職種です。しかし、工場には機械はもちろん、その他にも化学や電力といった多くの専門設備が必要なため、それぞれに「機械系」、「化学系」、「電気系」、「土木・建築系」といった職種に分かれて設計が行われています。

では、これらの設計職はそれぞれどのような役割を担っているのでしょうか。ここからはそれぞれの仕事内容についてご紹介していきます。

プラント設計の概要

プラント建設における設計職の仕事内容は大まかに、「基本設計」と「実施設計」の2つに別れます。
基本設計は、プラント全体の施設や設備の配置計画と作業することになる人々の動線計画といった、全体の地図作りに当たる業務です。この段階で、効率的な計画を考案することが、後の施設運営のコストに影響を及ぼすことになるため、とても重要な仕事になります。

実施設計では、基本設計を元に、各施設や設備の設計を行います。この段階では、建築、土木、化学、機械といったさまざまな専門分野が横断的に連携しながら、設計が行われます。

このように、設計といっても、建築や土木以外の分野も絡んでくるため、他の業界にはない知識や経験が得られると言えるでしょう。

設計職の種類

「機械系」設計職

まず最初にご紹介するのは、機械系の設計職です。工場を動かすために、機械は最も必要不可欠な製品ですよね。

こちらの機械系の設計職では、工場自体の基本的な設計や具体的な設計はもちろん、機械装置の設計や製作まで手掛けます。

また、完成後のオペレーションやメンテナンスも行うため、工場の機械に関する全体的な設計に携わる職種です。

「化学系」設計職

次にご紹介するのは、化学系の設計職です。工場は機械を使用して原料から製品を作っていく場であるため、その製品化のプロセスに関する設計職も重要になります。

こちらの化学系の設計職では、化学工学系の知識を用いて、石油や鉱物などの原料を製品化するまでの過程に携わる職種です。また、過程を構築するだけでなく、完成後のメンテナンスまで一括して担っています。

「電気系」設計職

次にご紹介するのは、電気系の設計職です。機械を動かすためには電力が必要不可欠であるため、工場全体に電気を流すシステムが必要となります。

こちらの電気系の設計職では、そういった機械や工場全体に電力を流すシステムを構築し、管理しています。工場全体の電力関係に関する設計やメンテナンスに携わることができる職種であると言えます。

「土木・建築系」設計職

最後にご紹介するのは、土木・建築系の設計職です。工場を動かすためには、工場自体はもちろんですが工場に付随した道路や施設が必要になります。企業によってはプラント建設地にてコンクリート・鉄骨の構造物や地下排水設備をメインとし、地盤の造成や改良、パイプラインや海洋構造物などを対象とした設計などを行います。

こちらの土木・建築系の設計職では、工場の設計だけでなく、周辺の道路や施設の設計を行います。

また、土木系の設計職には、大学や大学院で土木を専攻していた方が就く場合が多いですが、建築の構造物の設計も担う場合があるため建築を専攻していた方の就職実績も多くあります。

設計職の魅力とやりがい

では、プラント業界の設計職にはどのような魅力ややりがいがあるのでしょうか。
まず、工場という大規模なスケールの設計に携わることができる点は、設計職を目指す方にとっては大きなやりがいに繋がると言えます。

また、工場は人々の生活や社会全体に欠かすことができない製品を作る場であるため、そうした社会の根本を支える存在として働くことができる点も魅力であると言えます。

プラント業界の設計職にもさまざまな種類があり、それぞれに仕事内容は違います。しかし、工場の設計に携わるうえで、ご紹介した魅力ややりがいは同じであると言えます。

設計職を目指すためには?

では、プラント業界の設計職を目指すためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

プラント業界の設計職の就活においては、特に必要な資格やスキルはありません。しかし、技術職であるため、大学での専門科目の勉強を通じて、最低限の専門知識や経験などを詰んでおくと良いでしょう。

特に土木・建築系の設計職は、土木や建築をの専門知識を活かすことができるため、技術職として大規模な施設の設計や建設に携わりたい方にはおすすめの職種です。

設計では、CAD等の設計を使う機会が多くあるため、プラントの設計職を志望している場合は、そのことも念頭に置いておきましょう。

また、近年では海外へ事業展開をしている企業もあるため、英語のスキルを高めておくと良いと言えます。

まとめ

今回は、プラント業界の設計職についてご紹介しました。特に、土木・建築系の設計職では土木や建築分野の技術職として、大規模なスケールの設計に携わりながら、人々の生活や社会を陰ながら支えているプラント業界の設計職は、設計に興味のある方には大きな魅力であると言えるでしょう。

プラント業界の設計職について知らなかった方も興味がある方も、ぜひ業界への理解を深めて進路の選択肢のひとつに加えてみてくださいね。

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