電気工事の専門家!「電気工事施工管理技士」とはどんな資格?
皆さんは、「電気工事施工管理技士」という資格をご存知でしょうか。
建築や土木分野の資格などを調べている方なら聞いたことがあるかもしれませんが、聞いたことがない方も多いかと思います。
実はこの資格、建設の工事現場では資格の一つなのです。
今回は、そんな「電気工事施工管理技士」についてご紹介していきます。
この記事の目次
電気工事施工管理技士とは
この資格が担う業務は、名前から大まかなイメージはつきやすいと思います。
「電気工事施工管理技士」とは、電気工事の計画の作成や、工事の安全、品質の管理などを行うための資格です。
電気工事とは、建設工事における送電線、配電盤、電灯、電力機器などの電気工作物に関する専門工事を指します。
この資格は1級と2級に分かれており、それぞれで担当できる工事現場の規模が違います。
その違いを紹介します。
1級と2級の違い
2級電気工事施工管理技士は、一般建設業の電気工事において、専任の技術者及び主任技術者として認められています。
1級電気工事施工管理技士は、元請が下請けに4000万円以上で発注する建設業(特定建設業)の電気工事において、専任の技術者、主任技術者及び監理技術者として認められています。
工事現場には、「主任技術者」の資格を持つ者を必ず置かなければならないのですが、電気工事施工管理技士の資格者は主任技術者として認められています。
ただし、特定建設業の工事現場には「監理技術者」を置かなければならず、その役目を担うには2級では不十分であり、1級の資格が必要です。
ちなみに、注文住宅の建設費が大体1,000~4,000万円ほどなので、戸建て住宅を除くほとんどの工事が特定建設業にあたります。
1級電気工事施工管理技士の資格があれば、全ての建設現場の電気工事の管理、監督ができるということです。
取得するメリット
電気工事施工管理技士の有資格者は、工事現場の管理において、責任者として重要な役割を担っています。
建設業界全体の人手不足の影響、そして新技術への対応などの面から、この資格の需要は高まっています。
また、建設現場において必要不可欠な責任者として認められている資格なので、この需要がなくなることもありません。
この資格を持っていることは、自分のキャリアアップにもつながりますし、仕事の幅も広めてくれることでしょう。
資格試験について
令和3年度からの資格試験制度の改正
次に、電気工事施工管理技士の資格試験についてご紹介します。
施工管理技士の資格試験制度は、令和3年度から改正されます。
工事現場には主任技術者や監理技術者を必ず置かなければならない、という義務があるにもかかわらず、少子高齢化により有資格者が減っているというのが、改正となった大きな理由です。
詳しく見ていきましょう。
1次検定を合格して得られる「技士補」の資格
1級電気工事施工管理技能検定について、今までは学科試験と実地試験に分かれていましたが、令和3年度から1次検定と2次検定という名称に変わります。
最も大きな変更は、この1次検定に合格すると「技士補」という資格が与えられるようになることです。
現在は、1現場につき1人の監理技術者を置かなければなりませんが、
「技士補」が創設されると、現場に技士補がいる場合、監督技術者は2つの現場を兼任することができるようになるとのことです。
これによって、1次検定に合格している人が現場で活躍することができ、人手不足の解消につながると考えられます。
1次検定免除期間が無期限に
1級電気工事施工管理技能検定について現在は、一度学科試験に合格すると、次の年に試験を受ける際に学科試験が免除になります。
改定後は、1次検定に合格し技士補の資格を得ると、次に2次検定を受ける際はいつでも1次検定は免除となります。
今までは、学科試験の免除期間が1年間であったため、失敗してしまうと諦めてしまう人が多くいました。
しかし、この改定がなされることで、2次検定に挑戦する人も多くなり、1級電気工事施工管理技士の有資格者が増えるのではないかと期待されています。
受験資格
続いては受験資格についてご紹介します。
2級電気工事施工管理技能検定
2級の学科試験の受験資格は、17歳以上であることです。
学科試験のみであれば、大学や専門学校に在学中の方でも受けられます。
一方で実地試験の受験資格は細かく定められています。
大学の建築学科や土木工学科を卒業後は、実務経験1年以上で実地試験を受験することができます。
1級電気工事施工管理技能検定
1級の受験資格についても、細かく定められています。
大学の建築学科や土木工学科を卒業後は、実務経験3年以上で1級の試験を受験することができます。
専門学校を卒業する場合は、「高度専門士」「専門士」「専門課程」のそれぞれで必要な実務経験年数が変わります。
自分はどの条件を満たせばいいのか、「建設業振興基金の施工管理技術検定」のHPで確認してみてください。
合格率
続いて、近年の合格率を見ていきます。
1級、2級のそれぞれの直近3年間の合格率は以下のようになっています。
1級
平成29年 学科 48.0% 実地 62.5%
平成30年 学科 56.1% 実地 65.3%
令和元年 学科 40.7% 実地 66.3%
2級
平成29年 前期試験 学科 62.8% 実地 - 後期試験 学科 - 実地40.0%
平成30年 前期試験 学科 65.3% 実地 - 後期試験 学科 61.6% 実地43.2%
令和元年 前期試験 学科 56.3% 実地 - 後期試験 学科 58.7% 実地45.4%
2級の試験については、前期と後期で1年に2回試験が実施されています。
合格率から見ると、国家試験としてはそれほど難易度は高くはないと感じるかもしれませんが、十分な対策を取ることで確実に合格に繋げられるでしょう。
どの資格にも言えることですが、過去問を解き、傾向をつかんだうえで自分の弱点を克服していくといいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、電気工事施工管理技士についてご紹介してきました。
施工管理技士には、他にも建築施工管理技士、管工事施工管理技士など、さまざまな資格が存在します。
自分の興味がある分野と関係のある資格があると思うので、それぞれについての知識を付けておくと良いと思います。
就職時に求められることはほとんどありませんが、在学中に受験することのできる資格もあるので、余裕のある方は勉強を始めておくと、就活の際のひとつのアドバンテージになるでしょう。
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