物件見学はこれでOK!見学の流れや見るべきポイントをご紹介
デベロッパーや鉄道業界、ゼネコン、設計事務所を目指す学生が行う選考対策の1つとして物件見学が挙げられます。
物件見学は必ずしも就活で必要なわけではありませんが、実際に利用されている建物に足を運ぶことで、サイトからの情報以外の気づきを得ることができ、そしてその後の選考にもいかすることができます。
今回は物件見学が就活にどう活かされるか、物件見学の目的や、物件見学の流れなどを中心にご紹介します。
現在は、オンラインでの情報収集が主流となっていますが、現地で見学できる機会があれば、これからご紹介する点を意識して見てみましょう!
物件見学の目的は?
企業研究のため
物件見学を行う目的の1つは、企業研究のためです。
企業のホームページや採用ページにも事例紹介として、実際に関わった施設が紹介されているように、企業が関わった施設を調べることは重要です。
選考を受ける企業を選ぶという点においても施設の情報や写真を調べるという方法も大事ですが、実際に施設を訪れることで、利用している人の特徴や施設の雰囲気、そして施設の周りの環境などを知ることができます。
このように調べて分かる情報客観的な情報と、実際に訪れたことによる気づきなどの主観的な情報を組み合わせることで、企業の特徴をより深く知ることができるのです。
選考では志望度の高さを示せる
物件見学は企業研究だけではなく、選考対策にも役立ちます。
デベロッパーやゼネコン、設計事務所は学生からの人気も高く、選考の倍率が高いという特徴があるため、他の学生と差をつけるという点においても、施設を訪れたことは志望度の高さをアピールになります。
また、面接時には施設に実際に訪れたことを伝えることで、話題が広がるといったケースや、その時の感想や実体験を元に新たな提案や自分の考えを述べることにも繋がります。
建築物を仕事の観点から見る力を養う
こちらは就活に直接関係はありませんが、普段の生活の中ではあまり意識することのない、建物の動線や設計の背景などを考えることは就職後にも役立つ視点です。
就活の段階でこのような視点で建築物を見る力をつけておくことで、建物に対する感性が磨かれ、制作側の視点に立って建築物を見ることができるようになります。
物件見学の流れ
では、実際に物件見学を行うときはどのような流れで、施設を訪れるのがよいでしょうか。
ここでは物件見学の流れについてご紹介します。
①見る物件を絞る
まずは、どの物件を見に行くのかを事前に決めましょう。
就活全体を考えたときに、物件見学に費やすことができる時間は多くはないので、事前にどの物件を見に行くかを就活のスケジュールや企業の志望度から判断して決めていきます。
どの施設に訪れるかの基準としては、次の3点の指標を意識しましょう。
有名な施設を見る
それぞれの企業には企業説明会や採用ページで紹介されるなど、有名な施設があります。
このような施設は企業側も学生がある程度調べたうえで選考を受けることを期待しています。
有名な施設は、選考の際にOB訪問や面接のに話題に上がることもあるため、物件見学しておきましょう。
自分が馴染みあるの物件も見ておこう
自分の地元や住んでいる場所の近くにある施設や、過去に利用したことがある施設など自分にとって馴染みがある施設を改めて訪れるのも選択肢の1つです。
物件見学をする際になぜその施設を訪れたのか理由があると、物件見学の背景や理由を踏まえて話すことができます。
また、これまで利用してきた理由や、実際に利用を重ねるなかで無意識に良いと感じていた要素はあるか、あるとすればその良さは何か、を改めて言語化してみることで、その企業が作り上げている施設の良さを認識することにつながります。
最近竣工した物件に足を運ぶ
最近竣工した物件は最新の技術を用いている場合や、トレンドに沿った設計やデザインをしていることが多くあります。
最新の技術やトレンドは、企業がアピールしたい点の1つでもあるため、実際に施設に足を運んでどのような印象を受けたのかを答えられるようにしましょう。
②日程を決める
続いては物件見学に行く日程を決めましょう。
ここでの日程は企業説明会や面接とスケジュールが被らないように調整するという面もありますが、物件見学に行く際は次の点を考慮してみましょう。
なるべく晴れた日に行こう
多くの施設は日当たりを考慮して設計がされています。
日当たりなどは写真では分かりづらく、施設の場所によっても変わってくるため、実際に訪れることによって分かる部分は大きいため、日当たりなどがはっきりと分かる晴れた日に行くことをお勧めします。
また晴れている日の方が、周辺施設が見やすいというメリットもあります。
人が多い曜日や時間帯を狙おう
物件見学は人が多い時間帯に行く方が、どこに人が集まる傾向があるのか、動線計画はどうなっているか、おそらく設計が意図している通りに空間が使われているか(うまく人を誘導できているか)がより分かりやすくなるからです。
上記の視点は主に商業施設ですが、オフィスビルのように平日の方が利用者が多い施設に関しては平日の昼を中心に行くようにしましょう。
そのうえで、それ以外の日時にも訪れ、前回との違いを把握できると、なお良いでしょう。
物件見学で見るべきポイント
では、実際に物件見学に行った場合、施設のどのような点を意識して見ればいいのでしょうか。
ここでは物件見学の際に見るべきポイントについて紹介したいと思います。
外観・内観の印象
建物を設計する際には、その建物がどのような印象を持ってもらいたいかまで含めて設計されます。
いわゆるコンセプトです。
建物を最初に見たときにどのような印象を受けたのかを建物ごと、企業ごとに比較してみましょう。企業によっては、デザインコードのような、同社が手がける施設に共通するデザイン的な特徴がある場合もあります。
また、どのような印象を与えるために、どのようなテクスチャや構造材を用い、どう面や空間を構成しているのかとった、設計・施工者側の視点に立って見てみると面白いでしょう。
人が賑わっている場所
2つ目は、どのような場所に人が多く集まっているかなど、人に着目して見てみましょう。
どの階のどの場所に人が多く集まっているのか、またなぜそこに人が多く集まっているのかを考察することも重要にです。
それが自然発生的に賑わっているのか、空間の操作によって賑わっているのかを見てみると、設計の意図を把握でき、また、計画が足りていない部分を把握できるようになるでしょう。
全ての施設が100%完璧に計画できている訳ではないので、このような賑わいという観点から、その施設の良さや改善点を見ることができます。
施設内の動線
人が多く集まる場所を調べるのと同じように重要になるのが、施設内の動線です。
例として商業施設などは、施設を訪れた人々が施設全体を巡り、なるべく多くの店舗に接触する機会があるように動線は計画されています。
施設全体を見渡したときに人々がどのような流れで動いているのか、また階の移動のエレベーターの位置などに着目することで、設計側の意図を読み取ってみましょう。
そして実際に自分が施設内を歩いてみたときに、「混乱した」「スムーズに回れない」といったネガティブな印象を持ったとすれば、その理由は何か、また、どう改善できるかを考えてみると良いでしょう。
周辺施設との関係性
物件見学に訪れた際には施設内だけではなく、周辺の環境にも着目してみましょう。
施設の周辺には、駅や公園、公共施設などが位置している場合がありますが、それらとの関係性を見てみることも面白いでしょう。
うまく周辺の施設とのつながりを意図して計画ができている施設では、その施設のポテンシャルを十二分に発揮していると言えるでしょう。
例えば、目の前に公園があり、そこに向けて路面店を配置して気持ちのよい空間を作っている事例や、特徴的な街並みを借景として取り込むように建築の計画をしている場合もあります。
また、周辺施設との関係づけながら考察することで、その施設がどのような利用者層を取り込んでいるのかや、地域における施設の役割の理解へとつなげることができます。
以上の点はあくまでも一例であり、その他にも自分が気になった点があれば積極的にメモを取るようにしましょう。
複数の企業の建物を比較をしよう
ここまで物件見学をする際のポイントについてご紹介しましたが、企業研究で同じ業界の他社との比較によって、よりその企業の特徴がわかるのと同様に、物件見学においても、他の企業の施設を訪れ、比較することは重要と言えます。
例えば、「A社の商業テナントや利用者層にはこういった特徴があるが、B社は違う」というように、同業他社との比較から特徴や傾向をあぶり出す手がかりが得られます。
また、上記で紹介している、建物の印象や空間構成も、比較要素となるでしょう。
施設が異なっている場合でも、建築した企業が同じであれば、どのような共通点があるか、企業ごとに施設を見たときにどのような違いがあるのかを、複数の企業の施設を訪れ、調べてみましょう。
物件見学に行く際の持ち物と注意点
物件見学に行く際の持ち物は
物件見学に行く際に持っていくと便利なものとしては、
・メモ帳
・筆記用具
・カメラ
が挙げられます。
基本的にはこれらの持ち物は、その場での気づきを後からも見返すことができるようにするために利用します。
物件見学に行くときの注意点
物件見学に熱が入ると、周りが見えなくなってしまいます。
写真撮影やメモ書きは他の人に迷惑にならないように気をつけましょう。
また、入ってはいけない場所には入らないようにしましょう。
施設を訪れているという点ではあくまで、一般のお客さんと変わりません。
あくまでも許可されたエリアで、周りの方や、施設に迷惑がかからない範囲での物件見学を心がけましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
物件見学は就活で他の学生と差をつけるという点で重要になりますが、物件見学に行ったからこそ分かることや、感じられることをどれだけ発見できるかが大切になります。
また、志望動機や自分の専門分野が明確に決まっている方は、物件見学で見るべきポイントを上手く組み合わせることができるかも考えてみましょう。
コロナウイルスの影響で、なかなか物件見学に行くことは難しい情勢ではありますが、見る機会があれば、建物を建てる側、利用する側両方の立場に立って、施設を訪れたときの印象を元に考察し、その後の企業研究、選考に役立てていきましょう!
スカウトで就活を有利に進めよう
コンキャリでは、建築土木就活における記事を多数掲載しており、またカンファレンスからES・面接対策まで大小さまざまな建築土木に特化したイベントに参加することができます。
また、コンキャリに登録すると平均5社以上のスカウトを受けることができ、就活を安心して進めることができます。
ただ5社のスカウトを受けるわけではなく、各建築土木学生の方の状況や志望領域に合わせた5社のスカウトを受け取ることができるため、就活をかなり有利に進めることができます。
みなさまの就活を応援しています!