建築物の室内環境を整える「設備設計」の仕事内容と魅力とは?

2021年12月29日 更新

いくつかある設計職の中でも、設備設計では電気や水道、空調などの建築物の重要な設備について設計します。

建物のデザインを行う意匠設計と比べると裏方なイメージはありますが、必ず必要であり多岐にわたる専門性が求めらることから、業界における設備設計の需要は高いです。

今回は、設備設計ではどんな仕事をしているのか、設備設計職になるための過程、そしてどのような人が向いているのかをご紹介します。

そもそも設計とは何か?

設計とは建築物を建てるうえで、対象の構造や製作法を整理し、計画を図面に
起こすことを指しています。
また、建築物の設計は以下の3種類で構成されます。

意匠設計・・・外観や内観のデザイン
構造設計・・・デザインを実現しながらも構造の基準を満たす
設備設計・・・上記を阻害せずに利用環境を整えるための設備の設置

上記のように3つに分類ができます。

大まかに説明をすると、意匠設計とは、建築物の構造、外観のデザインや間取りに関する設計で、次に意匠性を保ちながらも、構造設計とは建築物の耐震強化のための土台や骨組みに関する設計です。最後に、設備設計とは建物内で快適に過ごせるよう、主にインフラに関する設計となります。

設備設計とは?

先ほどご紹介したように設備設計とは、建物内にて必須なインフラに関する設計図書を書く仕事です。扱うものとしては空調や、電気そして配管などが該当するので一口に、設備設計といっても様々な分野があります。

例えば
給排気などの空調設備
電気配線などの電気設備
排水管やポンプなどの給排水設備
などになります。

上記の設備の設置場所や配管を建物のどこに通すかなどを決める仕事となることから、合理的な設計が求められるので、高い技術力や専門性が求められる仕事と言えます。

わたしたちの暮らしには必ず必要な職種ですが、このようなノウハウを持った設備設計士が業界内で不足しているため、今後も需要が高まる職種になるでしょう。

仕事内容について

設備設計士は、高い専門性が求められるとご紹介しましたが、具体的な仕事内容はどのようなものでしょうか?
大きく分けて下記の3つの流れになります。

1.クライアントとの打ち合わせ
2.企画・提案
3.詳細な設計・見積もり

1.クライアントとの打ち合わせ

建築主や新たな設備設置を検討しているクライアントと打ち合わせをします。
室内環境を保つために、さまざまな項目について法的な基準値を超えるための設備が必要となりますが、クライアントの予算と突き合わせた検討が必要となります。

2.企画・提案

ヒアリングで聞いた条件をもとに、具体的な計画を立てます。
たとえば、コスト面や快適性などを考慮し、クライアントにとって最適なプランを提案します。
提案の際のポイントとしては専門用語を避け、クライアントが理解できるやさしい言葉を用いることです。そうすることで、会話がスムーズに進みお互いにとって気持ちのいい打ち合わせになるでしょう。

3.設計・見積もり

提案したプランを顧客が同意してくれたら、設計に移ります。
まず、基本設計では機器の容量や予算の配分など、全体の構造を決めます。

次に、基本設計をもとに図面を起こして実施設計をします。
実施設計では、設備を建物内のどこに通すかなどを決定します。

全ての設計が完了したら、工事発注予算の作成のために
設備機器と部材など、設計にかかかるコストを清算します。

以上が仕事内容の流れになります。

まとめると、設備設計士は設計図書をつくるだけでなく、クライアントとの
コミュニケーションも業務に含まれます。

そのため、設備設計士を志望している方は普段の生活において、設計図書を計画するなどのスキルアップはもちろんのこと、聴く力や相手が理解しやすい話しかたをすることに意識すると良いでしょう。

設備設計士になるための過程・必要な資格 

続いて設備設計士になるためにどういったことが必要かご紹介をしていきます。

結論、入社後に、建築設備士を取得することをオススメします。建築設備士の資格を得ることで業務の幅が広がり、ご自身のキャリアアップに役立つからです。

この試験に関しては、受験資格や問題形式などが決まっているので、見落としがないように、しっかりと確認をしましょう。
詳しくはこちらの『設備設計にまつわる資格にはどんなものがある?』についての記事を参考にしていただければと思います。

設備設計士に向いている人とは?

最後にどのような方が、設備設計士に向いているのかご紹介していきます。

先程の仕事内容と魅力の項目でもふれましたが、設備設計士とは設計図書の作成とクライアントとのお取り引きが主な仕事内容となります。
それをもとに行われた設計により施工がスタートされます。

そのため、自分の行った設計で人々の暮らしをささえたい
生活の基盤となるインフラを通じて、より良い暮らしを実現したい

と思っている方には特にやりがいを感じる仕事と言えるでしょう。

また、実際に現場で働いている方は、「設備機器の設置や配管の経路を検討するにあたって、建物の中での隠れたスペースを見つけ出し、そこをうまく活用して合理的に設計できた時に喜びを感じる」といった点にやりがいを感じる方もいらっしゃいます。

まとめ

設備設計士についてご紹介しましたがイメージはできましたでしょうか?
途中でもお伝えしましたが設備設計士は他の設計士と比べて、普段あまりスポットが当たることは多くないかもしれません。
しかし、その高い専門性から業界需要の高い職種となっています。

ご自身がどんな仕事に向いているか、選択しようとしている企業にはどんな仕事があるかをきちんと把握した上で、就職活動を進めていきましょう!

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