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建物が建つまでの流れを理解しよう!?上流〜下流工程に対応する業界をご紹介

2021年7月4日 更新

建築業界では、企画から実際に建物が建ち、利用されるまでの流れを、上流〜下流という表現をよく使います。

一口に建物を建てると言っても、さまざまな業界や企業・部門が関わり、連携することで作り上げられます。
そのため、就活生の皆さんも、今後自分がどの工程に携わり、どのような仕事をしたいのかをより明確にするためにも、建物が建つまでの流れと業界の対応関係を把握することが重要です。

今回は、さまざまな業界が連携することで建てられる比較的大規模な建築を想定し、建物が建つ工程を上流から下流のように分類しながら、それぞれの役割や関わる業界をご紹介します。

業界についてより深く紹介している記事がある場合には、リンクの紹介もしているので、自分が興味ある業界は、ぜひ各業界の記事も参考にして、業界研究として役立ててください!

上流工程

今回の記事での上流工程は、事業の企画、枠組みを作ることがメインの仕事が該当します。

建物を建てる前には、その地域の特徴や立地条件などを調べたうえで、建築物のコンセプトや利用者の属性(ターゲット)を決めます。上流工程で紹介する業界はこのような、事業全体の枠組みを決めるような仕事を行なっている場合が多いです。

上流工程は、建物を建てる前段階での仕事がメインであることから、主に街づくりに興味がある方にお勧めな業界です。

また、街づくりのように、上流工程の特徴は、様々な主体を巻き込み、調整しながら事業を進めていく役割が多いです。単に企画や計画をするのではなく、どのような仕組みや事業の進め方をすれば良いかを考えることも多くあります。

では上流工程に関わりのある業界をご紹介していきます。

不動産デベロッパー

デベロッパーとは、大規模なオフィスビルや商業施設、マンション、ホテルなどの不動産を開発する会社を指します。

デベロッパーの仕事としては、用地の取得し、街づくりのコンセプトを企画・計画を決めたうえで、設計事務所やゼネコンに設計や施工の発注を行います。

建設会社や行政機関をはじめ、さまざまな企業・機関と連携を取りながら、土地開発のプロジェクトを進めていくため、街づくりにおいて中心的な役割を果たす業界と言えます。

デベロッパー業界について詳しく知りたい方は、「街づくりの中心である「デベロッパー」の魅力を種別にご紹介」や「デベロッパーの根本を担う「開発部門」の仕事内容とは?」をご覧ください。

鉄道会社の都市開発部門

鉄道業界の開発部門も建築の上流工程、街づくりに関わる業界として有名です。

同じく都市開発を行うデベロッパーとの違いとしては、デベロッパーは土地を取得し、建物を建設するのに対し、鉄道業界の開発部門は、路線や各駅を軸として自社が保有している土地を使って開発を行なっていきます。

つまり駅を核として、都市や街のあり方を考えながら実際の開発を行っています。鉄道の駅周辺の施設や駅直結のビルなどを企画・計画します。

鉄道業界の開発職について詳しく知りたい方は、「街づくりに大きく貢献する鉄道業界の「開発職」とは?」をご覧ください。

ゼネコンの都市開発部門

スーパーゼネコンなどに代表されるように、ゼネコンの中でも規模が大きい企業は、開発部署が存在し、工事の進行を管理するゼネコンが中心となって都市開発のコンセプトづくりから手掛けることもあります。

ゼネコンは設計や施工を自社で行なっているため、事業企画から設計・施工までを一貫で行えるのがゼネコン開発部門の特徴と言えるでしょう。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは、国や地方自治体、民間企業から事業の企画の段階で依頼をされ、地域住民や環境への影響、工法、コスト、工事にかかる期間など、様々な面から調査を行い、提案をし、発注者は調査の結果を踏まえ、ゼネコンなどに工事を発注することになります。

実際には上流工程だけではなく、下流まで一貫して事業のアドバイザーを担います。

工事の段階では、工事がスケジュールどおりに進んでいるかなど依頼主の立場にたって、プロジェクト全体の監理を行うこともあるため、事業全体のアドバイザーとしての第三者的な役割を果たしています。

建設コンサルタント業界について詳しく知りたい方は、「建設業界における上流工程の担い手である「建設コンサルタント」ってどんな職業?」をご覧ください。

国土交通省

国土交通省は上流工程に直接推進するわけではありませんが、それより上位の、日本全体の建設業界のあり方や方向性、また、国土及び各都市の街づくりの指針等を定める役割を果たしています。

なかでも、「都市計画運用指針」は、都道府県や地方自治体が、マスタープランを策定するうえでの指針になっています。

また、国土交通省以外でも、内閣府が指定する「国家戦略特区」では、世界で一番ビジネスをしやすい環境を作ることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇が行われ、民間開発の活性化を促進をしています。
(参考:首相官邸HP 国家戦略特区

地方自治体

地方自治体は、「都市計画運用指針」に沿って、マスタープランを作成します。
マスタープランとは、地域のあるべき都市像や課題に応じた整備方針、住宅施策の方向性など、総合的な都市計画の方針です。

また、地方自治体は都市整備や建築に関わるさまざまな法律や条令と照らし合わせながら、開発計画の遂行管理も行う場合があります。

例えば、東京都の都市整備局は、主に環状7号線の内側を「中枢広域拠点域」に指定し、区域内では、高密な鉄道、道路ネットワークを生かして、国際的なビジネス・交流機能や業務、商業など複合機能を有する街の形成を促しています。

このように地方自治体ごとに、都市計画や街づくりの方針を定めて、民間企業をうまく誘導しながら街づくりを推進しています。
(参考:東京都都市計画審議会 東京における土地利用に関する基本方針について

中流工程

中流工程では、上流工程で決められた企画をもとに、設計や予算を決める工程です。
ここでは、上流工程で決められた事業の全体的な枠組みや施設計画、事業収支を基に、実際の建物のデザインや設計までを担います。

ここからは中流工程に位置付けられる業界をご紹介します。

設計事務所(組織設計、アトリエ)

設計事務所は、企画に基づいて実際に建物の設計を行います。

今回は設計事務所と一括りに紹介していますが、実際には意匠設計、構造設計、設備設計の分野分かれ、組織規模に関しては、小規模なアトリエ〜組織設計事務所などに分類できます。
なお、アトリエが大型施設の設計に携わる場合は、意匠デザインに特化する場合が多いです。

設計事務所について詳しく知りたい方は、「建設の根本を支える「設計事務所」業界を解説!」をご覧ください。

設計コンサルタント・積算事務所

積算とは建物を建てるのに必要な工事費の見積もりを算出する仕事で、設計と施工の間に行われます。特に詳細に見積もりを出す際には、部材1種類単位から見積もりを取る場合もあるため、積算を外注するニーズは高いです。

設計コンサルタントや、積算事務所はゼネコンなどから詳細な積算業務の請け負うのが一般的ですが、積算の業務は明確な資格が必要とされるわけではなく、事務所の規模や仕事を行う形態も異なっています。

積算の仕事内容については「建設工程の見積もりを行う「積算」ってどんな仕事?」で詳しく紹介しているので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

ゼネコン(設計・積算)

上記で紹介した設計、積算はゼネコン内にも部門がある企業があります。

しかし、ゼネコンは企業内で設計や積算、施工までを一貫して行うため、必ずしも設計や積算だけをやるとは限りません。主にゼネコンの設計部門は、先ほどご紹介した設計事務所側の提案が実際に施工可能なのかなどの観点から設計への意見や提案をする役割が多いです。また、出来上がった図面を社内の施工側に伝えていく役割も担います。

詳しく知りたい方は、ゼネコンの設計や積算の部署がどのような仕事を行なっているかを調べてみると良いでしょう。

下流工程

上流、中流工程を経ていよいよ下流工程では建物の工事に関わる部分を担当することになります。下流に位置するのは、いわゆる施工で、現場に一番近い立場を指します。

一般的によく耳にする施工管理もこの下流工程になります。

ゼネコン(施工管理)

世の中にある、中〜大規模構造物の多くはゼネコンが施工しています。

その中で施工管理職は、工事現場の管理だけでなく、設計側との連携や工事協力業者のサブコンとの連携など、工事全体に関する仕事を担う職種のことを指します。

建物の規模が大きくなると、サブコンの数も多くなるため、全体をまとめあげるスキルも必要です。

サブコン

サブコンはゼネコンの下請けとして建設の専門的な部分を担います。
例えば、建物の基礎や、設備配管、シーリング施工などが該当し、多岐に渡ります。

サブコンもメインの仕事はゼネコンと同じ施工管理ですが、ゼネコンと比べて、より専門的で小規模な部分を担当するのが特徴です。
また、企業によっては社員自身が直接的に施工を行う場合もあります。

サブコンと一括りにしても多様なため、どのような専門分野に強みを持っているのか、またどのゼネコンから仕事を受けることが多いのかを調べることによって、企業の特徴をつかんでおくと良いでしょう。

サブコンについては、「サブコンとはいったいどんな業界?ゼネコンとの関係性や仕事内容を紹介」の記事で詳しく紹介しているので、興味のある方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

建物を建てた後の工程

今回は深くは紹介しませんが、建築物は立てられたら終わりではなく、その後の工程が存在し、ここに関わる業界も多くあります。
ここでは建物が建った後の工程と、それに関連する業界を紹介します。

メンテナンス系業界(施設の運営や維持管理)

建物を建てた後の管理で重要になるのが施設管理です。

商業施設やオフィスビルは、電力設備や空調設備、給排水設備、機械設備、ボイラーといったさまざまな設備のもとに成り立っており、施設メンテナンス系の業界はこうした各装置・設備の管理・保守を行います。

その他にも施設やビルを清潔に保つための清掃管理、防犯や防災対策、災害時対応を確認する保安管理なども運営や維持管理のために欠かせない仕事です。

リノベーション業界

リノベーションとは既存の建物に大規模な修理・改善を加え、建物の価値や性能を向上させることを指します。例えば、20年ほど前に建てられたオフィスビルの内装を剥がし、再度現代風なデザインにすることで、比較的安価に、デザインに凝ったオフィスとして再度貸し出すことができるようになります。

リノベーションでは、建物の構造さえも変更する場合があり、コンセプトや建物の使われ方を考え直すことになるため、仕事内容としては、上流工程のイメージに近くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

建築業界には明確には定義はありませんが、今回は就活を行ううえで、建物が建つ工程を0からイメージしやすいように、上流、中流、下流工程の3つに分類し、それぞれに関係する業界を紹介しました。

全体を通して上流から下流になるほど、いわゆる現場に近く、上流工程は事業主や主体となるケースが多く、下流になるほど施主や顧客の要求を具体的な形にしていくようなイメージとなります。

自分の興味のある業界がどこの工程に位置しているのか、自分の興味のある工程にはどのような業界があるのかを理解し、ゼネコンのように上流から下流まで全ての工程に登場する業界は、工程ごとに仕事が違うため、あらかじめどの工程に関わりたいのかを決めてから就活に臨みましょう!

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