鉄道業界の技術職になるためには? ESから面接までの傾向や対策をご紹介(開発、土木、建築)

2021年12月29日 更新

鉄道業界と聞くと駅員や運転士の仕事を思い浮かべる人が多いと思います。

しかし鉄道業界にも土木部門や建築部門、開発部門など建築土木に関わってきた学生が学んできた技術を活かす職種があることを知っていましたか。

今回は鉄道業界の中でも建築土木系の技術職に焦点を当てて、就活での選考の流れや企業分析のやり方、面接で聞かれる質問など就活全体の流れや対策を紹介していきたいと思います。

鉄道業界の技術職を志望している、興味がある学生はぜひ参考にしてみてください。

鉄道業界の技術職とは(開発、土木、建築)

鉄道業界の技術職を紹介する前に、まずは建築土木の学生の技術職の仕事はどのようなものがあるのか簡単に紹介していきたいと思います。

鉄道業界には、大きく分けると開発部門、土木部門、建築部門の3つの部門があり、建築土木学生の割合が高い部門として挙げられます。
3部門の仕事内容や特徴、デベロッパーやゼネコンとの違いについては別の記事で紹介しています。

それぞれの仕事についてより詳しく知りたいという方は以下のリンクから記事を確認してみたください。

街づくりに大きく貢献する鉄道業界の「開発職」とは?
都市交通インフラの要!鉄道業界の土木部門とは
鉄道会社の建築技術職って何をしているの?

就活の全体像

続いては鉄道業界の技術職の就活の流れについてご紹介していきます。
選考過程は企業や時期、そして部門ごとにも異なりますが、多くの企業が

リクルーター面談・人事面談 (複数回)

 (ES → WEBテスト・SPI )

 1次面接 

(開発職はグループディスカッションがある場合もある)

 最終面接

のようにリクルーター面談、人事面談などの独自の選考方法を取り入れているという特徴があります。

人によってリクルーター面談、人事面談の回数は違い、高い評価を得ることができれば、選考が短縮されるなど、同じ企業でも選考フローが異なる場合があるのが特徴です。

事前準備

企業研究のポイント

ここからは具体的な就活の対策について紹介していきたいと思います。

まずは選考の前の事前準備である企業研究についてです。
企業研究では鉄道業界に限らず同業他社との比較が重要になります。

このことは鉄道業界の選考を受けるうえでも当てはまりますが、鉄道業界では2つの点での比較を行うことが大切になります。

JRと私鉄とでの比較

1つ目はJRと私鉄とでの比較です。

自分がどちらかの企業しか受けない場合でもそれぞれに良い点、悪い点を調べたうえで、なぜ自分はその企業を選んだのかを説明できるようにしましょう。

JR内、私鉄内での比較

もう1つはJR内、私鉄内での比較です。

例えば自分がJR東日本の選考を受けている場合には、なぜJR西日本・JR東海ではなくJR東日本を受けようと思ったのかをエリアの特徴などを抑えたうえで答えることができるようにしましょう。

この他社についての違いの質問は面接ではよく聞かれる内容になります。

具体的な企業研究のやり方

企業研究のやり方としては、同業他社のホームページや採用ページは最低限目を通しておくようにしましょう。

そのほかの方法としては、企業からもらえるパンフレットや冊子に目を通すといった企業からの情報を参考にする方法や、各社の中期経営計画を参照する、投資家向けのプレスリリースを見る、鉄道業界全体のニュースや経済的な情報には目を通す、という自分で鉄道業界や企業の情報を見つけるといった方法があるようです。

またJRでは定期的に説明会や短期インターンシップを実施しているので、ここまで調べたうえで出てくる疑問点や、さらに知りたいことなどは、インターンシップや説明会に足を運び、実際に質問することでより企業や仕事に対するイメージが明確になるはずです。

インターンについて

インターンについては、基本的に参加するものとして認識しておきましょう。

なぜなら企業によっては、インターンに参加していたか否かが名簿に記入されているので、参加したという実績が志望度の高さのアピールになるからです。

また夏季インターンシップに参加した半分以上の人が内定をもらっている企業があることからもインターンの重要性が伺えます。

選考のポイント

ES

では実際の選考の流れに沿って各対策を紹介していきます。

まずは選考の最初のステップであるESについてです。

ESは通過することはもちろん重要ですが、ESで書いた内容が次の面接で詳しく聞かれることが多いので、その後の面接を意識しながらESを書いていくようにしましょう。

ESの内容はしっかり見られているので自分の言葉で書くようにすること

面接官が食いつくような内容にすること

の2点に注意しながら書いていきましょう。
ESで聞かれる内容は企業によって異なりますが、多くの企業では

あなたの研究テーマについて300字程度で簡潔に述べてください

あなたの当社を志望した理由と、当社で挑戦してみたいことを記入してください

あなたがこれまで挫折や困難を乗り越えた経験を交えて自己PRしてください

技術職採用のどのフィールドに応募されますか?

選択したフィールドを志望する理由を具体的に教えてください

といった内容を聞かれるようです。

志望理由

ESや面接のときに聞かれることの多い志望理由ですが、選考を受けた学生はどのような志望理由を書いている人が多いのでしょうか。

今回は一例として、志望理由をいくつか紹介したいと思います。

人々の生活基盤を支え,暮らしに付加価値を生み出す仕事に携わりたいと思ったから

弊社は日本の根幹を移動手段という枠を越えて支えていて、日本の主要都市を繋ぐ技術に携わりたいと思ったから

駅という建築物を通して人々の暮らしを豊かにしたいと考えたため

建物を長く活用していく仕事を行いたいと思ったから

人の移動に関わりたいという思いから鉄道業界を志望し、御社の「安心を届ける」という理念に大変共感したため

多くの人が利用する鉄道という交通インフラの重要性に触れ、そこでどのように関わっていきたいのか自分の意見を書いていく構成が多いようです。

リクルーター面談

鉄道業界技術職の特徴の1つがリクルーター面談です。

呼び方はリクルーター面談や人事面談、先輩社員との意見交換会など様々で、企業によって異なります。

内容としては、志望動機や他の企業の選考状況を質問されるなど実質面接のようなもので、基本的に複数回開催されます。

リクルーター面談行っていく中で、志望度の高さをアピールし、自分の疑問点がある場合は逆質問を積極的に行い、先輩社員を参考にしながら、将来のキャリアプランなどのイメージを膨らませていきましょう。 

面談と言えど、何かしらの目的があって行われるため、面接のつもりで臨みましょう。

1次から最終面接以前の面接

続いては面接対策について紹介します。

複数のリクルーター面談を通過すると最後に1、2回面接を行うことになります。

リクルーター面談では比較的若い社員と話すことが多いのですが、面接では年次の高い方が面接官を務めることが多いので今までと比べると堅めの雰囲気に緊張してしまうこともあるようです。

しかし決して圧迫的な面接をされるわけではないため、事前に準備してきたことを淡々と話すのではなく自分の言葉で伝えることを意識しましょう。

面接でよく聞かれる質問としては

アルバイトで得た経験について聞かせてください

学生時代に勉強で頑張ったこと

自己PRをしてください

最近関心のあるニュースは何ですか

のような業界、企業を問わず面接でよく聞かれる質問や

当社にはどのような印象を持っていますか

あなたにとって〇〇(企業名)はどのような会社ですか

といった企業のイメージや印象を聞かれる質問

「安全」とはどういうことか

今はネット通信が広がっていて新幹線はいらなくなるかもしれなが、あなたはどう思うか

といった鉄道に関連したワードや、鉄道業界の今後について聞かれる質問

入社したらやりたい(挑戦したい・実現したい)ことは何ですか

のような企業で将来的にどのようなことがしたいのかを問う質問

なぜ大学で建築を学ぼうと思ったのですか。今の大学を選んだ理由を教えてください

大学の専門分野や研究内容を問う質問

〇〇(企業名)総合職施設部門土木の中でも、特になぜ「建設」を希望するのか

なぜ建築土木の中でも鉄道業界を選ぼうと思ったのか

という専攻や志望理由を問う質問などが面接で聞かれるようです。

グループディスカッション

開発系の職種に関しては、グループディスカッションが選考に含まれている企業があります。

テーマとしては

20年後の鉄道のあるべき姿

少子高齢化が進む中,〇〇(企業名)グループ(電鉄,不動産,生活サービスなど)でどのような施策を行えばより収益を上げられるか

といった鉄道に関連のあるテーマでの話し合いになることが多いようです。

グループディスカッション対策については「グループディスカッション対策はこれで大丈夫! ポイントと対策方法をご紹介」で詳しく解説しています。

自分が受ける企業の選考フローにグループディスカッションが入っている学生は、対策をしておきましょう。

最終面接

最終面接では部長などの役員レベルの人が面接官を務める場合が多くなります。

厳かな雰囲気や、想定外の質問をされることによって緊張してしまう学生が多いようなので、緊張をしたとしてもはっきりと自分の意見を述べることを意識しながら臨むことがポイントになります。

また最終面接で大切になるのは企業に対する志望度のアピールです。

第一志望だと言わないと内定をもらえない企業も存在することから面接の中で自分の志望度の高さをアピールできるように心がけ、もし他の社鉄道会社と悩んでいる場合はそのような姿勢を内定まで隠しておくようにしましょう。

最終面接で聞かれる質問としては

あなたを漢字一文字で表してください

というような自分自身についてをアピールする質問

〇〇(企業名)のいい点を教えてください

悪いと思う駅舎とその理由

コロナの影響で弊社も過去にはない悪業績だがその会社に入社する不安はありますか

人口減だから新幹線に乗る人も減ってしまうのでは

夜勤もあるし転勤は多いけど大丈夫か

といったような、企業分析の中でも駅などの細かい部分、業界の今後や仕事に対する理解に関しても質問まで幅広く聞かれます。

企業へ入るためにはどうするべきかという視点も大事ですが、入社した後の働いているビジョンを持って、面接を受けるとよいでしょう。

さらに

結果と過程のどちらが大切か

左右の概念がわからない人に、電話で右方向を伝えるにはどうしたらよいか

という事前に用意することが難しく、その場で自分の考えを述べたり、頭を使って答える必要がある質問もされるようです。

この手の質問には、「正解」は求められていません。見ているポイントは、対応のし方、考え方といった真のあなたを見るために質問しています。

このような質問をされても慌てることなく、しっかりと考えたうえで論理的に伝えることを意識しながら話すようにしましょう。

面接後

ではここからは内定を出した後の企業の対応について紹介していきます。

企業によって対応に違いがあるようで

特に就活を終わらせろなどといわれることは無いといったケースや、他の企業と悩んでいる旨を伝えたら、2週間ほど待ってくれる企業もあるようですが、多くの企業ではすぐに就活をやめるように言われる場合が多いようです。

就活をやめるように言われる場合でも、口頭で言われるだけで、内定承諾書等への記入はないケースや、教授の後付けの推薦状が必要なため承諾後は辞退することができなくなる場合などいくつかあるようですが、基本的に内定を貰ったら他の企業の選考をやめその場で就活が終わることを念頭に置いておきましょう。

その際に大事になるのが選考を受ける順番です。

志望度の高い企業を後に回すのではなく、先に受けることで内定を貰った時点で就活が終えられるようにスケジュールを組むことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

鉄道業界の選考のポイントの1つはリクルーター面談になります。

リクルーター面談では、質問に答えるだけでなく、逆質問もしっかりと用意しておくことで、その後の面接のために働くイメージをつけながら次の選考に進んでいけるようになるのが理想的です。

また建築、土木の技術をなぜ鉄道業界で活かそうと思ったのかを、鉄道業界に対する志望理由と関連させながら、説得力のある答えを作り出していくことも重要になります。

鉄道業界全体として見ると、OB、OGは多いので比較的連絡を取るのは難しく無いはずです。
OB、OG訪問などを積極的に行い、早めの動き出しを心がけながら就活を進めていきましょう。

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